第68話:契り
「おはよう、クラリス」
「おはようございます、アレックス様」
教会の妨害ごときに俺達の愛を引き裂く力などない。
大陸中を敵に回しても、俺はクラリスへの愛を貫く。
その為に大陸中を屍山血河にしようと構わない。
その決意は結婚式の時に大陸中の王族に宣言している。
内心はともかく、表面上は全王族が結婚を認めてくれた。
それどころか教会に対する非難を全王家が一致して表明してくれた。
まあ、俺に捕えられた王族の末路を見ればそれも当然だろう。
証人にするために殺していないが、一国の国王と王女王族令嬢が、全ての衣服をはぎ取られ、真っ裸でサクラの体内に囚われているのを見せつけられたのだ。
王女と王族令嬢に拷問は加えなかったが、クラリス暗殺計画を知っていた国王には、とても激しい拷問を加えた痕跡をわざと残しておいた。
誰だってサクラの酸で身体を徐々に溶かされ吸収されたくはないだろう。
「アレックス様、今日も見届けさせていただきますので、その心算でいてください」
冷静になろうと拷問の事を思い出しているのに、スーニー王家の見届け人が俺の羞恥心を刺激しやがる。
スーニー王家とリークン公爵家の見届け人の前で、初夜を迎えなければいけなかった事が、どれほど恥ずかしかったと思っているんだ。
これが原因で不能になったらどうしてくれるんだ。
想像力が現実になる世界でなければ、大恥をかいていたところなんだぞ。
「アレックス様、教都まで必要な食糧と物資を補充しなければいけませんね。
教都に攻め込む前に、大魔境の奥深くまで遠征されますか、それとも大ダンジョンの奥深くまで潜られますか」
クラリスは両家の見届け人に見られていたことを全く気にしていないようだ。
生まれ持っての王族の羞恥基準が羨ましい。
前世の知識と記憶がなければ殺されていたので、前世の知識と記憶がなければよかったなどとは思わないが、心からAV男優のような図太さが欲しと思ってしまう。
などと馬鹿な事を考えている場合ではない。
この世界でずば抜けた権力と影響力を持つ教会と戦わなければいけないのだ。
まず国を護るためのロード級スライムを王都に残しておく必要がある。
サクラの食糧確保とスライム全体の成長と進化を続けるために、大ダンジョンにもロード級スライムを残しておく必要がある。
教都に遠征するサクラに、大ダンジョンで捕獲した食糧を安全に届けるためにも、ロード級スライムが必要だ。
最低でもロード級スライム3頭を確保したうえで、安全のためにサクラをレベル2キングスライムにしておきたい。
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