第50話:スライム従魔クラン

 俺はスライム従魔士クランをスライム従魔クランに改称した。

 士が入っているかいないかだけの違いだが、広く人材を求めたいから、士の一字を外すべきだと思ったのだ。

 今のところはスライム従魔師は俺だけだし、スライム従魔司もアルペーシュだけだが、これからもっと増えるかもしれない。


 総勢175名集まったスライム従魔士には、その能力差によって最適の仕事を考えて割り振った。

 レベルの低いスライムを1頭しか従魔にできない者には、交代で薬屋か治療屋をやらせることにした。

 ポーションを作る事のできるスライムや、回復魔術を使えるスライムがいれば、安全な街の中なら十分稼ぐことができる。


 それは王都だけに限られず、大魔境などの魔境近くにある冒険者ギルドでも重宝され、十分な稼ぎを得ることができるだろう。

 この世界には幾千もの毒があるので、多くの毒に対応する解毒薬を創り出せる俺のスライムは、とても重宝されるのだ。

 普通の街でだって人並みに暮らす程度の収入はある。

 生まれ育った街を出たくないスライム従魔士は、故郷に残ってもいいのだ。


 だが多くのスライム従魔士は、今までの不遇な生活を取り戻したいのか、冒険者として生きていきたい人間が多かった。

 回復魔術が使える上に、各種解毒薬と回復薬が作れて、もっている魔力の範囲内なら攻撃魔術まで使えるスライムを、4頭5頭と従魔にしているのだ。

 低レベルの魔獣なら単独で狩ってソロの冒険者になる事もできる。

 パーティーに参加したいと望んでも引く手数多だ。


 今までの人生とは真逆の状態になれば、冒険者になりたくもなるだろう。

 そんな中でも突出した存在になったのが、ヒュージスライム1頭とビッグスライム4頭を従魔にして、この国1番の冒険者パーティーに加わったアルペーシュだった。

 彼の事がとても気に入った俺は、レベル1から合体統合させることなく育てた大切なヒュージスライムとビッグスライムを預けたのだ。

 彼ならばまだ132頭のスライムを従魔にできるのだが、その空きは自分でスライムを集めて育ててもらおうと思ったのだ。


「アレックス様、王宮に重大な知らせが入ったようです。

 アレックス様自身も確認されてください。

 私としては、直ぐに王宮に向かわれることをお勧めします」


 サクラが俺に勧めてくれたので、急いで王宮内に残しているスライムの見ているモノを俺も確認してみた。

 緊急連絡用に、王宮の各所にスライムを残しているのだ。

 特にクラリス王太女殿下とティン国王陛下の側には、常にスライムがいるようにして、刺客からの護衛や解毒役回復役にしている。

 ただ、クラリス王太女殿下が1度俺に着替えている姿を見せようとしたから、普段はサクラに見張ってもらうようにしているのだ。


「スライム従魔クラン」

従魔師:1名・アレックス・リークン

従魔司:1名・アルペーシュ(137頭)

従魔士:175名


「主なスライム」

レベル1キングスライム:1頭

レベル5ロードスライム:1頭

レベル4ロードスライム:1頭

レベル3ロードスライム:1頭

ヒュージスライム:11頭

ビッグスライム :47頭

「各種特殊スライム」

アシッドスライム :367頭

マジックスライム :296頭

ポイズンスライム :4514頭

ポーションスライム:1337頭

ウッドスライム  :1613頭

ロックスライム  :1632頭

ブロンズスライム :39頭

アイアンスライム :88頭

シルバースライム :8頭

ゴールドスライム :6頭

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