第30話:ゴブリンの反撃
単に効率だけを考えるのなら、ベビーをスライムにまで成長させて、その後で合体統合させる方法が一番安全で確実だ。
ただレベル1のスライムを分裂できるレベル2にまで成長させなければいけないので、食料を得るための最低限の戦闘力が必要になる。
何よりも大切なスライムを知るための検証を続ける必要があるのだ。
「アレックス様のロードは素晴らしい。
これほどの従魔を使役できるアレックス様を殺そうとするなんて、リークン公爵は愚か者としか言いようがありません」
俺の傅役だったトーマスが手放しで褒め称えてくれる。
トーマスはリークン公爵家の譜代家臣だったのだが、今では敵意を隠そうともしない状態になっている。
俺を助けるための嘆願を聞くふりをして、密かに刺客を送った事で、リークン公爵家への忠誠心が敵意に反転したのだろう。
「そうだね、ロードの強さは桁外れだと思うよ。
ゴブリンの大将がキングゴブリンだったとしても、キングゴブリンがレベルを上げるための経験値は多過ぎてなかなかレベルアップできないだろう。
更にその上の段階があるのかどうかは分からないけれど、進化するための経験値を稼ぐのは実質不可能だと思うよ」
俺は家臣とその一族600人と一緒にロードの戦いぶりを見ていた。
前世の記憶とイメージを生かして、ロードが見ている外の情景を広場に映し出してもらっているのだ。
とはいっても特に何かの魔術やスキルを使っているわけではない。
ロードの身体の透明度を極限にまで上げて、更に体の一部を拡大鏡の状態にして、外部映像を見れるようにしただけだ。
「あれはファイターヒュージゴブリンですか。
必死で攻撃しているようですが、ロードには全然ダメージが入っていない。
今度はシャーマンヒュージゴブリンですな。
火炎魔術や雷撃魔術を使っているようですが、ここには全く影響がありませんな」
トーマスの言う通りで、ただのゴブリンやホゴゴブリンでは勝てないと判断して、ビックゴブリンやヒュージゴブリンだけが攻撃をしている。
だからビックゴブリンやヒュージゴブリン程度の攻撃では、全くロードにダメージを与える事はできない、だから俺達のいる内部は安全なのだ。
もしレベル3のキングゴブリンが相手でも、300万を超えるロードの防御力なら、キングゴブリンの攻撃力が300万を超えていようとも、与えられるダメージは300万を超えた部分だけだ。
「アレックス様、新たな敵が現れました。
ヒュージゴブリンを遥かに超える巨体のゴブリンが5匹もいます。
そのうちの1匹は群を抜いて巨大な身体です。
もしやロードゴブリンとキングゴブリンではありませんか!?」
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