ある世界の人達 彼らの言葉は虚空に紡ぐ
逃げた者のはなし
僕はあの場所から逃げた。
いや、逃げたんじゃない。
あの場所にいるべきではなかったからだ。
あそこには僕のいる理由がなかった。
誰も僕を認めてくれない。
否定し、下に見られ続ける場所にいる。
そうして、何もかも失うんだ。
それが嫌だった。
だから、僕は逃げた。いや、見切りをつけただけだ。
みんなは僕を だと言うだろう。
僕を誰も認めない場所に僕は価値を見出さなかった。
それだけの話なのに、
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