オシロイマツリ

MasA

イナリカクシ編

第1話 始まり

ここは、南東北にあるという山城島県やましろじま山童根市さんどうね

人口約35万人。

市街地からも山が見えるような、そんな自然と都市が共存するまち。

この物語は、そんな山童根の若篠宮わかしののみや地区に住む1人の少年と仲間たちが織り成す人間模様である。

主人公の名前は、大田原おとたわら まさる。17歳。

彼は、地元の高校である白北しろきた高校に通う普通の高校生である。

そして、そんな彼と共に歩いているのは同級生であり、幼なじみ(家が隣)の御伽原おとぎばら ニナ。17歳。

ちなみに、ニナは誕生日が11月27日であることから担任の先生から「いいニナの日に生まれたということなんだね…」とか言われている。

…多分たまたまの偶然だとおもうのだが。

そして、ただの幼なじみで同じ高校なだけでなく、なんと部活まで同じなのだ。

実は、この高校には地区などに伝わる伝承について研究する「伝承研究部」なるものがある。

この部活を知っているからこの高校には入ったとニナは言っているが、過去の言動から察することは出来ていた。

例えば、オシロイさまの話になると凄い熱量で話してくる。

オシロイさまと言うのは、要するに恐怖を具現化したもの。

恐怖を祀ってムラの安寧を祈願したのがオシロイさま信仰の始まりと伝えられている。

実際、若篠宮の昔の名前である鬼柏きがしわの名を冠する「鬼柏神社」にオシロイさまの御神体が祀らているという。

ニナの話によれば、オシロイさまは夜中に現れ見守ってくれてるらしい。

…詳細はよく分からないが

「あ、今日鬼柏田植え踊りの練習日だよね?」とニナは言う。

実は、「伝承研究部」は「鬼柏継承部」としての顔も持っているのだ。

「鬼柏田植え踊り」とは、鬼柏時代から綿々と続いている地元の芸能だ。

正月に家々を回っていたそうだが、人手不足で近年はそういったことはしないようだ。

 -続く-|

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