第2話
後味の悪い、仕事だった。
結局、自分を含めて誰も得をしないまま。電子規格の移行に伴って生まれる莫大なマージンは、電子空間の海に消え去った。
あの金があれば。官邸は、この前失った空母と同等のものを作れた。街は、海岸線に独自の整備網を作れた。その両者が取り合った規格を、自分が、潰した。
街と国のパワーバランスが崩れるのは、望んでいない。それでも。何か大事な事に使われるはずだったものが消えたという事実は、同じ。
どうしようもない。
通信規格が変われば、中間マージンや取引の利益も変動する。
どう調整しても、結局、どこかに軋轢は生まれる。
救われない気分のまま。
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