俺の周りに超絶美少女が多すぎな件
@takushi4555
第1話 入学式
3月は別れの月だが、4月は出会いの月だ。俺、
伊野波 清輝(いのなみ せいき)は、香川東星(かがわとうせい)学園に合格し、今日は入学式の日なんだが……
「清輝! "クラ"ちゃん来てるわよ!」
「え、もうクラがきたのか? 全く朝は早いね」
「はやくしないといけないのは清輝でしょ!」
と無理矢理起こされた俺は、意識半分で着替えて、菓子パンをバックに突っ込んで家を出た。
「はい、いってらっしゃい」
「いってきやーす」
「私も後から行くからね」
「わかったわかった」
母は、毎晩遅くまでスーパーで働いている。というのも、父が俺が3歳の時に病気で死んで、母が一生懸命働いてくれているということだ。今日は職場から流石に入学式に行けと言われたらしいので、参加するみたいだ。
「"テル"はいつも私がいないと遅刻しそうで怖いわ」
「うるせーなクラ。休み明けは布団が恋しいんだよ」
さっきから"クラ"と俺が言ってるのは幼馴染の河野未暗(かわの みあん)だ。もともとは"アン"って呼んでいたのだが、なんか嫌ということで"クラ"になった。ちなみに俺は清輝の"輝"という字から"テル"になった。
「ていうか皆一緒なクラスだといいな」
「そうだね。まぁでもあれ成績順なんでしょ?」
「らしいぞ。俺も結構点数とったし大丈夫だろ」
クラスは6クラスに分かれるのだが、成績がいいやつから順に取っていくという噂があるらしい。まぁ噂だけど結構信憑性は高いらしい。成績がいい奴は6組に集まるとかなんだとか。
「よっ! お二人さん。今日も元気か?」
そう言って話しかけてきたのは、野口 新太(のぐち あらた)。俺らは"シン"と呼んでいる。ちなみに俺とクラの家は隣同士で少し学校に向けて歩くと、シンの家がある。ということもあり、俺ら3人は昔から友達だ。
まぁクラが、シンのことが好きなのはここだけの内緒で。
「シンも入試の点とかよかったんでしょ?」
「おう! だから皆同じクラスじゃないか?」
「まぁ俺が1番点数高かったんですけどね。ごめんなさいね」
「テルうざい。今日ガスト奢り」
「俺はそんな大金持ってないっす」
「じゃぁジュースで許す」
「お前……俺の家庭知ってるのにかなりの鬼だな」
「冗談冗談。ところで皆高校生になったら働かないの?」
「うーん。働きたいとは思ってるけど落ち着いてからかな」
「テルはどうせ帰宅部とかだろ? 俺達は運動部で忙しいからな」
「ちっ、煽るな」
などなど話している内に学校に着いた。
「おっ、クラス発表の紙掲示されてるぞ」
シンが興奮した様子で言う。
結果は知っての通り皆6組。
「はい、皆一緒〜」
「テルもシンも10年目よろしく」
「実際は幼稚園の時も入るからもうちょい長いぞ」
幼稚園からずっと一緒のクラスな俺ら。もはや何をしようにも同じクラスになるのだ。決定事項なのだ。ポケモンの強制イベントみたいな。
「確かにテルの言う通りだな。それにしても長い付き合いだなぁ」
「まぁ家も近いし、学力も同じぐらいだからな」
「とりあえずクラスに向かおうぜ!」
「だね」
1年6組の教室に入ると、すでにグループがチラホラできていた。まぁ初日だし、同じ学校のやつと固まるよな。など思っていると先生が入ってきた。
「私はこのクラスの担任の氷河 雪見子(ひょうが ゆきみこ)よ」
なんか冷たい名前だなと思いつつ美人だなと思った。しかし目が怖い。冷徹とか言うやつ。
「とりあえず今から入学式があるからはやく準備しなさい。風よりはやくね」
風よりはやくって……なんか絶妙だな。と語彙力皆無の感想を抱いた。
入学式というのは本当に暇である。知らない大人の挨拶、校長の心のこもってない挨拶。そんな中、生徒会長の挨拶だ。
「おい、新入生! 面白い奴はいるんだろうな? 生徒会長の佐々木(ささき) 優香(ゆうか)が相手になるぞ」
いや頭脳系ラノベの1巻かよって思いつつ、入学式は幕を閉じ、高校生活がスタートした。この時は未来の高校生活があんな事になるとは夢にも思わなかったんだけどな……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます