ショタコンな私、悪魔に転生して真実の愛を見つけました。〜悪魔に転生して100年、溺愛する美少年と添い遂げたのでその年代記を書きます〜
中田涼介
第一章 運命の出会いと王国動乱編
第1話 プロローグ
久しぶりの光に目蓋を開けると目の前には金髪の美少年が立っていた。
足下の魔法陣が赤い光を放ち辺りを微かに照らす。
見たところ蔵のようだ。殆ど使われていないのか物が乱雑に置かれた棚には蜘蛛が巣を張り、埃が舞っている。
そんな中で彼の存在は一際異彩をはなっていた。
まるでこの世界に舞い降りた天使のようだった。
少年の歳は10歳かそこらだろうか?身なりは良いが所々怪我をしてシャツは破れ血でその服を汚している。短いパンツからは白くてスベスベの足が露出し、膝は擦りむいたのか血が滲んでいる。
初めての召喚のせいか?悪魔に対する警戒からか、本来整っていたであろう美しくも幼さが残るその顔からは色んな感情が滲んでいる。
ーー驚きと恐怖、焦燥感、絶望に期待、
だが、彼女の姿を見てすぐにその眼に強い決意を宿して少年は言い放った。
「僕と契約をしろ!対価ならいくらでも払ってやる。」
待ち望んでいた日が遂に訪れたと悪魔は歓喜に震える。
頬が紅潮し身体を震わせ唇は綻び、湧き上がる喜びを抑えきれずに両手でその顔を隠す。
ーーあぁ、匂いを嗅ぎたい。舐め回したい。抱きしめたい。
ーー添い寝をしたい。ほっぺたにキスしたい。愛でて愛でて守ってあげたい。
歓喜の感情を隠しながらドレスの裾を摘み上品にお辞儀をする。
「その申し出喜んで受けますわ。対価はーーー」
喋りながら彼女はここに至るまでの長い道のりを振り返る。
悪魔といえども100年という年月は決して短く無かった。
だが、その道のりも無駄では無かったのだと悲願を前にして一人悪魔はほくそ笑む。
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