500文字で完結する話

天ノ黒月

花言葉

死ぬ前に妻が言った。「世界で一番綺麗な花が見たい」

世界で一番綺麗な花それはどんな花だろうか?

どこでそのような花は手に入るのだろうか?

そんな友のため、花を探しに俺は出かけた。

まずは調べることにした。そうすると球根ベゴニアとう花が出てきた。その花を買って妻のところに行った。妻は「ありがとう」と言ったものの心から喜んでいない。それは世界で一番綺麗な花ではないだろう。また、俺は別の花を調べ、買っていった。それも違うようだ。

 どこにそんな花があるのだろうか?俺はそんな花を知らない。しかし、その帰りに一つの花が目に入った。それはチューリップ。真っ赤なチューリップ。なぜ、その花が綺麗だと思ったのかわからないが、その花を買っていった。そうすると涙を流して喜んだ。

「どうして、何でもないチューリップが良いんだ?」

「なら、どうしてチューリップを貴方は買ってきたの?」

「ただ、何となく綺麗に見えたから」

「チューリップの花言葉って知ってる?」

「花言葉?」

「赤いチューリップの花言葉は真実の愛なんだよ」

 花言葉は知らないで買ったが、真実の愛を伝えられただろう。

 花をもらった次の日に妻の病気の容体が急変し、旅立ってしまった。

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