僕は寝て起きてを繰り返す。

運がいい時だけ自由な時間がある。

本を読みたい。ゲームをしたい。散歩をしたい。友達と話したい。創作をしたい。

でも、心のガソリンはすぐに切れてしまう。

硝子の靴のシンデレラ。マッチの灯りに縋る少女。夢の時間はすぐに終わる。

僕は寝て起きてを繰り返す。普段まともに起きていられるのは5時間。8時間だと体調のいい日。

動けるようになる頃にはいつも太陽は西へ帰る途中。

体はベッドに縫い付けられたように。体は鉛のように。

動かない体でただ天井を眺めている。

こんなボクに未来ってなんだろう。僕は何がしたいんだろう。

もうすっかり誰かのロボットになりたくて生きてたから忘れてしまった。

心は守るためにどこかに置いてきた。あるいは大人になるために壊してしまった。

あるいは……。

もう、眠ろう。そしてまた西へ帰る太陽に出会おう。

おやすみなさい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

75円のお釣り 75円 @75en

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ