第三節:特筆事項

 この部隊、ギルド支部隊の有名どころといえば支部隊長という珍しい部隊でもあるのだ。


 大抵は支部隊長自身が戦うことは少ない、だがグランシスディア・ゼロは元々見向きもされないほど小さな支部隊で支部隊長自らが戦ってきたので、それが現在にも引き継がれ今に至るという極めて珍しい、活気のある部隊になっているのであった。


 タランチュラと戦う最前線としても見られており、ナイツとしてこのMM支部隊に転属願を出すものは多いが実際には厳しい難関が、待ち受けておりそのまま入れるものは、ほんの一握りのみという事情もあった。


 特筆すべきはこのMM支部隊には、ハイブリッドナイツ以外は入れないというすごい特徴を持っているのである。


 ハイブリットナイツと書かれてぴんと来ない方もいらっしゃることであろう。


 魔法戦士・魔法剣士・魔導剣士・精霊剣士・精霊騎士・神官戦士・聖騎士・守護騎士等の魔法と剣を修めたものでなければ入れないと言われている。


 それはなぜか、使用全MMが魔導機マジック・マシンだからであるといわれる。


 なぜこんな特殊な部隊なのかというと、それはこれまでの戦役がすべてを物語っているのである。


 そしてこうなった背景は、対悪魔タランチュラ戦線の要だからでもある。


 機動歩兵志願や航空団志願ならばまだチェックはかなり厳しいが入れないという事も少くはない。


 だがMM支部隊に入るのだけは特筆事項が存在しそれをクリアしないと入団はおろか、近間での見学すらも許されないのである。


 極秘・機密事項の塊であるからである。


 とは書いたが見学コースがないわけではない。



 倍率三千倍以上の難関を突破し、ある一定距離からの見学コースというのがないわけではないのだ。


 市民からの人気があり需要がある一定程度あるためである、またそのほかの映像制作会社からの人気というものもあり、そういうものを収入源にする必要もあるためである。(広報部)


 MM支部隊の中でこの様な見学コースを持つところは非常に少なく珍しい。


 だからこそ、この倍率三千倍以上という抽選での難関を突破し見学だけでもとこのコースに臨むものは多い。


 運が良ければ、総数四百機未満が一堂に会する場所を目撃できるだけでなく、ニュースに載せられるようなネタが得られる場合もあるからである。




 しかしゴシップの種は、落ちていない。


 つい先だって、支部隊隊長と秘書官長の結婚報道があったばかりであるためか、この部隊にゴシップの種は転がってはいないといわれる。


 情報管制が厳しくコントロールされており、ここの部隊ほどしっかりとした情報統制には中々お目にかかれないといわれるほどである。


 ギルディアスの中枢なみだと評されている。




 総員数、当初はナイツ数三名、パートナー数三名からこの部隊は始まったことが、記録に残っている。



 それが今や総ナイツ数四百名、総パートナー数四百名を数えるまでになっている。


 部隊全数にまで幅を広げると総員五十五万九千七百二十一名という数にまで膨れあがるのである。


 ギルディアス国外の支部隊としては、最大の数勢力を誇り名実ともにこの部隊を超える部隊は、ギルディアス国内でも八あるかないかといわれるところにまで上り詰めているのである。


 完全ID-Data管理されイレブンチェックと呼ばれる特殊な方式で管理され偽物が紛れ込む余地がないのも特徴といえる。


 紛れ込んだとしても即バレするのだ。


 イレブンチェックとは読んで字のごとく、十一のチェックがあることを示している。


 詳しくは書けないがDNA系列情報六項目、魔導DNA系列情報五項目からなっているとされる。


 この情報量でも個人判別にかかる時間はわずか〇点〇五秒以内とされる特殊な方式なのである。


 再生が必要な状態であっても一秒あれば特定可能とされる。




 チェック機構の話をしたが、部隊運用費の総計はいくらになるのであろうか?


 詳細なところは州知事のところには上がってはいるが一般に公開されてはいない、なぜならばそれが機密事項だからである。


 大体このくらいというのが正しい数値でもあるのだ。


 そしてシティーにもたらされる収益にもなるからではある。



 シティー側の公式記録から割り出すしかないのである。


 毎月の収入が約三ヴィズWIZというからすさまじい収入がシティーにつぎ込まれていることになる。


 WIZはアダムADMの百桁上で、ADMは百イヴIVという事であるから、今まで出てきた単位でいうと約三万イヴということになる。


(三万IV:日本円換算で三万京円といったところか)


 トンデモ収入がシティーに注ぎ込まれているのである。


 これのおかげか、シティー外周の装備はいつの間にか最新モデルのものに書き換わっていたりする。


 主に武装などが今まで五千年ほど前の装備だったのが最新の装備に書き換わっていっているのである。


 と、肝心かなめの部隊運用費はそれだけでは割り出せない。


 コレに大体の概算をかけて割り出すのであるが、ミリタリーに詳しい方がいてもこの世界の標準が推察できないであろう。


 さっきのは都市が得ている収入であって、あくまでもギルドがシティーに支払っている場所代や権利や特記事項の塊でしかないのだ。



 部隊運用費は大体今の数の十倍は見込まねばならない。


 そこから割り出されるものはあくまでも標準の部隊の話の枠であって、このような特例中の特例に該当するような部隊には適応できない。



 魔動機マジック・モーティブが標準の部隊の話だとすると、この部隊に配備されているのは魔導機マジック・マシンであり物が全然違う、また大きさこそ違えど拠点防衛要塞を二基、規格外強襲戦闘艦艇を四隻、防空航空団や護衛航空団など多種にわたる部隊を運用し、あげく魔導機四百機であるここまでくるともう単位なんて出してられないくらいに拡大するのは分かりきっており、この部隊には一部の隙も無いことがわかるのである。



 と、話題がずれた。運用費は計り知れないほどデカイとしか書きようがなく、それだけギルドが目をかけていることが一番わかりやすく出ているというものである。因みに費用は単位だけ出しておく二十ザイZAIほど二十溝円くらいと推定されるのである。


二十溝円ではわかりにくい場合は、二十の三十三剰円と書くのが正しいと推察される。




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