第八節:暗黒界への回廊

 しかも後方は後方でも中間に挟まれているといっても良かったのである、後ろは敵の円陣二個、前は敵の突撃陣形の二番隊と五番隊であるからしてどうしようもない状態であったとしかいいようがない。


 円陣を組んでいるのがシュレイディア・ガーディアンズだから、余計に質が悪かったともいう。


 唯一薄そうに見えるシルヴェントは手練れのアインが乗っているため、さらに質が悪かったという。


 魔導剣との相性も良く、二機は喰っていたのである。


 二番隊と五番隊に押されてシュレイディア・ガーディアンズの方まで退却してくる敵をガーディアンズが喰っていくおかげで二番隊で八機、五番隊で七機残り七機をガーディアンズで喰って円陣に二番隊と五番隊九機づつが合流したこちらは総数ですでに敵を上回っていたが敵自体は後ろに擱座した、スタンダードエアリアルフォートレス三機が落着して火を噴いているので、降参するという考えは無かったらしい。


 三機目も三隻からの集中砲火を浴び黒煙を上げて燃えていた。


 都市内部に進入しようにも、ブルーアジュールが密に展開してパラレルサーチを行って居るため敵突入部隊も動けないでいた、各東西南北のゲート毎に三十機のブルーアジュールが展開しているのであるさらには六機のブルーアジュールが都市内部のゲート内側にそれぞれ展開し人かそうでないかを確認しているのであったほぼ厳戒態勢といって間違いは無かったのである。


 セントラルタワーもブルーアジュール六機に守られていた。


 とりあえず蒼穹を円陣まで後退させた、二番隊が円陣の左に五番隊が円陣の右に鶴翼の陣を展開した、流石に二十六機相手に、二十機以下の機数で立ち向かうのは不利と見たか後退しはじめる。


 追い打ちで「展開中の三隻は各エアリアルフォートレスに修繕不可能なダメージを与えてくれ」という壊すのではなく、退却不可能なダメージを与えれば敵が降伏すると思ったからである。この状況だと降伏すると、思ったからでは有った。


 砲撃が始まりエアリアルフォートレスに修繕不可能なダメージが加えられていったそれでも敵は白旗すら上げない、おかしいと思った訳だ。


 完全に無くしてもいけないのである程度で砲撃が止まる。


「おかしいのう敵が何かを待ってるみたいじゃ、まるで本陣を……というと総長、ブルーアジュールの索的範囲を広げるように進言してみてはどうじゃろうか」、と進言が入った。


「確かに違いない何かを待っているようだ」コクピットクローズド会話で、


「クララ、州知事に取り急ぎ連絡どこかのゲートで敵が都市内に進入しようと企てているからそれを発見次第殲滅せんめつして欲しいと伝えてくれ」と伝えると通信を任せて州知事に伝えて貰う。


「待たせてはやれないな、各機前進駆逐するぞ!」といった直後一番艦から三番艦までのAGC(SABS)から連絡が入った。


「一番艦から連絡東側ゲート付近に魔導光学迷彩の反応あり上空から砲撃を行っても良いか? との連絡です」と連絡が入った、それに返答する。


「こちら総長牽制でなく直撃させろ、全滅させてくれて構わん、一人二人はブルーアジュールにくれてやれ」


「二番艦からも連絡です、西側ゲート付近に魔導光学迷彩の反応あり攻撃して宜しいかです」、


「見つけ次第上空から打ち下ろしで攻撃してよし、壊滅させてくれて構わん」、


「三番艦は北側ゲート付近で魔導光学迷彩を展開している奴を見かけ次第止めをくれてやれ、四番艦は動けるなら各偵察隊を発艦後周囲索敵を頼む」四番艦が足が速かった理由はACTだったのである、航空騎兵が多数積んであるのであったなので航空機張りに足が速いのが特徴であったのである。


「ムラサメ少将へ、捕虜が取れそうなら取っても構わない、それが存在意義だからなそちらは任せる」というと、


「了承しました。各中隊出します砲撃後に残っている残存勢力を抑えます」とのことだった。


「可能ならフォートレス側にも頼みたいがまずはMMの駆逐からだな」


「各機状況報告をくれ」という。


「二番隊は被害なし、敵残り三機じゃ」とジーンがいった。


「五番隊は逃走中の残りの一機を索敵している処ですこちらに被害はありません」


「ガーディアンズとアインは蒼穹の周囲を固めて貰っているからこちらに被害はないなるべくこちらに被害が無いように勧めてくれ」


「アスカ寒気の元は断たれたか?」と個別通信をアラワシⅢに送った。


「アラワシⅢより総長へ寒気は依然としてあります、治まってはおりません。まだ何か隠れて居るモノがあると推測されます」と支部隊通信に乗った。


「四番隊セイランの部隊は今八機しか居ないが、少し頼みたいことがある、ドーム周辺に仕掛けが無いか索敵に入ってくれ多分ブルーアジュールでも其処まで細かいところは見ていない筈だ何かまだあると予感がさえずったままなんだ。非科学的な根拠で申し訳ないがまだ、何かあると踏んだ方が良さそうだ」というと返答が帰って来た。


「そういう根拠の無いのが一番重要だったりしますので、気になさらないで下さい。アインを頼みました。四番隊はこれよりドーム周辺に仕掛けが無いか確認を実施します解析工作班も一緒に動かしますが宜しいですか?」とセイランから応答があった。


「それで頼む解析班のお仕事だからな、解析班は皆心して当たってくれ、ドームごと消された例もある位だからなそれ位があってもおかしくはない」と言うに留めた。


「管制している一番隊は特に変化なしか?」と気になっていたところを突いてみる。


「管制室周囲に空間のずれが出来ています、ドーム周囲に何かある模様、管制室周辺には特に何もありませんでしたので四番隊は取り急ぎ敵工作班を蹴散らして都市の無事を確認して下さい」という指示が管制から出た。


 こちらも異界探査を行う範囲を最大にまで広げてドーム都市が入るくらいまでで行う確かに異界の気配があったしかも、暗黒界の出現が予想されるとのが出た様な物だった。


「奮戦中の各位へ都市周辺に暗黒界への回廊かいろうが開こうとしているらしい可能なら各MMを駆逐した後シティドーム周辺の敵を捕らえるか全て殲滅に回ってくれ三番隊を残して六番隊は四番隊と逆方向から探査を始めてくれ!」ということにした。


 暗黒界はヤバいのだ。


 悪魔の住処であるので、どこからというのが分からないというのがなんともいえないのであるが。



第十五章 第九節へ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る