第三節:天井面訓練場

「MMの件ですが現在シュレイディア、シルヴェント共に余剰機がありません、創り上げるならパーツはありますのでそこから組んでいただく必要が出てきます。ノイン・デザイナーと相談してみてください」とクララ嬢がお昼開口一番かいこういちばんにいったのである。


「確かにそうだな、シュレイディアはかなり過敏だから、シルヴェントのほうがいいんじゃないか?それに、ワイトラウドに帰っても、同級の機体に乗れるかどうかわからないしな。そこまで考えるならばA級改良機を押すが。シュレイディアはS+級に該当するからな」と私がいった。


「ただし、今のミヒャイルⅡとアラワシⅢに着いてくるのは、シルヴェントだと難しい可能性があるな。そういう意味ではシュレイディアのほうが良いんだが。さっきの内容を聞いている限りでは」と私が付け加えた。


「とりあえずノイン・デザイナーは休暇とか取ってないよな?」と私が聞いた。


 アスカ嬢がいった「今日は普通に居る筈ですが、先ほどは失礼いたしました」とも加えた。


「ノインに聞くのはあとでも良いだろう。とりあえず基地設備の配置確認とエリアを覚えて貰うのが先だろう。会社見学に当るのがこれだからな」と私がいった。


「師匠との面談は十五時からとするクララ予定に入れておいてくれ」と私がいうと。


「アスカ、いやアスカ閣下に師匠が居られるのですか?」とヒジリが聞いた「学校でもそんな素振りは見せなかったしそんな特殊な技も見たことは無い……」とヒジリが追加する。


「三回程教えを受けただけだからな、それでも師匠には違いない」と私がいった。


「クララ、真空にできるパッケージの少し大きいのをくれ」と私が頼んだ。


「さっきのを包むんですね、分りました」といって少し大きめの真空パッケージを用意してくれる。


「ありがとう。あと何か包めるものを貰えるか」「風呂敷で宜しければ」といって扶桑模様の定番唐草紋様が出て来た。


「ありがとう」といいながら真空パッケージを扱うまず品物を入れて今回は四パッケージだ。


 すでに液だれはしない様なパッケージに入ってはいるが全て入れると。


 それの袋の口を閉じここを押すと書いてあるところを押すだけで中身が真空になるとい優れもののパッケージである。魔導式だからほんの少し精神力を消費はしてしまうが。


 悪いものではないし開封には何もいらない、真空にする時だけ消費するのである。


 それを巧く縦に二段ずつ重ねてコンパクトにすると、風呂敷で覆い始めた。


 中が分らない様にする為である。


 さて行くか、といってアスカ嬢も誘う。


 すると気を利かしたのか「ワルキューレがこちらで電話の番をします、総長におかれましてはアスカ様とゆっくり行って来てください」といったのである。


「ありがとう」というと「先程リムジンに乗っていたメンバーで、ワルキューレ嬢を除くメンバーは直ちに基地内視察をリムジンから行う、東側のドックの状態も見たいクララ、ルートに入れてくれ東側から初め最終を十五時と決める病院前が十四時五十分になる様に調節してくれ。以上、全員搭乗せよ」といって太刀を隊長室に置き。


 出かける、クララ嬢がまずアスカ嬢を呼んで鍵を渡しあとから行く旨を伝えた、その次にアスカ嬢がヒジリ大尉とサヨリ中尉に声をかけ二人を一緒に下ろすルートを『データパッド』に全て突っ込んだクララ嬢が立ちあがり私の忘れものである軍団長専用の『データパッド』を持ちルートを受信させながら降りてくる。


 すでに乗り込んで準備万端となった状態で待っている処にクララ准将が私に「忘れものですよ」といって『データパッド』を渡した。


 そしてクララ准将がハンドルを握り、では進行させますといったのが大体十三時十五分頃だった。


「まず東側に回ります」といってその場でターンさせると東側への拡張され重MMが通れるようになった通路があった、それを通過しまず西手側の壁面設置の兵舎群(WB:Wall-mounted barracks)から視察する。


 できは完璧であり壁一面が、兵舎群として機能していることが分かる出来だった。


 流石ノインだなと関心してみているとムラサメ大佐以下部隊長が集まって話をしている処に出くわしたので聞いて見ることにした。


 リムジンをいったん停車させてもらう、「どうした何か問題でも起きたか?」といって車から私が下り、状況を聞きに行くとアスカ秘書官長とヒジリ大尉、サヨリ中尉も付いて来た、ムラサメ大佐以下十二名がこちらを向き敬礼した。


 私も歩きながらだが敬礼を返す。


「何か問題でもあったのか」と聞くとある意味で問題だった兵舎は心地よく問題が無いのだが訓練場を何処に設けるかという話であった。


 それに対し私が答えた「シティー外周ではダメなのか?」(この場合のシティー外周とは此の基地からいったん外へ出てその目の前にあるかなり広大な場所を区切り訓練場とするプランではあるのだが)というと安全で天候に左右されない訓練場も欲しいとのことであった。


 面白いことを考えたのでノイン・デザイナーに直接かけることにした内線番号は聞いているのでかけると「いかがしましたか閣下」とのことであった。


 ので考えと今の問題を足して話すことにした。


「要するに広大で安全な訓練場が欲しく天候に左右されないことが条件であると、でノイン天井を使えないか壁も使ったんだどうせなら天井を最大五メートル程度落として足場を創り、そこの足場をかなり強力に造った上で魔化させてさらに強度を増し使う」というとんでもプランを打ち明けたのだが、それはかなりいいヒントですよと逆に褒められてしまった。


「それでいきましょう。部隊指揮官のムラサメ大佐に変わってください」といわれたのでムラサメ大佐を呼ぶ即駆け付けて来た、そして電話を変わって欲しいというとムラサメ大佐が「そんなことができるのですか技術大佐殿と」いって少し話すと「分りました閣下と変わります」といって「電話をお返しします、良い案になりそうですね」と笑顔で敬礼した。


「何か良い言質でも得られたか?」とノインに聞くと「必要資材がそこそこ大きくなるので運送にNS-FPTを使わせて貰えませんか」とノインがいった、「分った運送業が増えると伝えておこう」と私が答えて「必要物資はまた経理に通しますので承認お願いします」とのことだった。



「よし視察進行を開始するぞ」といったのでムラサメ大佐も解散指令を出していた。


 そして視察が開始される、それに艦長以下士官用の宿舎にも寄って貰うことにした。


 今のところ一番から三番艦までがすでに就航しており、完熟訓練という名の輸送業務に携わっていたのである。


(余談だがすでに車両用格納庫全て仕上っており、西側を壁面設置の兵舎群、東側を戦闘車両倉庫に挟まれてはいるが比較的広い道(四車線)を走って居たのである)



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