第四節:輸送任務追加指令とMM解説

「時間が押しているので電話でどうぞ」と船長用の宿舎の内線番号を教えてもらいかける数コールのあと「こちら三番艦ドレイク艦長ジョニー・グラウデン准将」と答えたので「総隊長のアスカ・ジークレフ中将だ、輸送任務にさらなる追加を申し付けたいがそちらで構わなかったかな?」と私が聞くと「これは閣下、どのようなご懸案けんあんでしょうか?私で良ければうかがいますが」とのことだったので「現在視察中である旨と歩兵部隊や他の部隊の運動不足を解消するトレーニング施設の設置に当り必要な輸送任務が発生する」というむねを伝えておいた。


 すると「分りました正式な指令書が来ましたらさっそく実行させていただきます」という好調な結果が得られた。


「三番艦は現在補給中」とクララ嬢がいってリムジンのルート変更を実施した。


「これが三番艦ドレイクです」といって南側通路を進行しながら大型のNS-FPTを紹介した余りのデカさにビビるヒジリたち二名「他四隻がこの格納庫に収まります」とクララ嬢が説明した。


「一隻の大きさは平均で全長二千六百メートル、幅六百五十メートル、高八百メートルにもなります」とも追加する。


「規格外強襲型戦艦(SABS:SubstandardAssaultBattleShip)に該当します勿論MMも積めますし降下作戦も展開可能です。エアリアルフォートレスとの戦闘も可能なモノです」とこれはアスカ嬢の説明だった、「四隻目が現在最終偽装中です」とも追加した。


「そしてこの東の端の壁面設置の兵舎(WB:Wall-mounted barracks)が船員用の兵舎になっています」とクララ嬢が大雑把に説明する。


「こちらにも向こう側にもありましたが、この黒い高く大きい金属状の建物は何ですか」とサヨリ嬢が聞いた。


 アスカ嬢が答える「これは戦闘車両を格納するための多段仕様型の車両用格納庫、重装甲FPT(HAFPT:HeavyArmoredFlyingPowerTank)、機動戦闘歩兵FPV(MCIFPV:MobileCombatInfantryFloatingPowerVehicle)、等が主です」といった。


「規格はすべて違いますので場所ごとに、違うものが建っています。自動給弾機構がありますのでそれが背面に見えているので黒い塊が見えるのです」と言った。


「東側ブロックは基本的にMM随伴機動師団(MM AssociatedMobileDivision)とMM随伴戦闘飛行師団(MM AssociatedCombatFlightDivision)の格納庫になります、部隊の総指揮官はムラサメ少将になります。おや大佐から少将まで階級が上がっていますね、データ不備では無く更新された最新のものですので師団長になったのでしょう」とアスカ嬢が『データパッド』を見ながら答えた。


 それからぐるりと四車線(片側二車線)の幹線道路(支線道路は片側一車線)を走って北側にも回り視察を行った。

「北側も壁面設置の兵舎(WB:Wall-mounted barracks)が設置されて居ますがこちらは、機動歩兵兵舎と戦闘車両乗員兵舎と各整備中隊と船員兵舎が分けられてはいますが混じっていますね。まぁ北側は一番大きな壁面設置の兵舎になりますし致し方ないでしょう。因みに士官用の兵舎は二階から三階にあり、部隊長(上級士官)用の兵舎は一階にあります」とクララ嬢が解説した。


そしてまた、西側への連絡通路から中央のMM格納庫に視察場所を移すのであった。


「中央ブロックは指揮中隊から一番から三番隊までのMMの整備補給区画です。又、整備ポートの裏手にはFPTが停められる場所もあります。全ナイツは自分のFPT又はFPtが宿舎です」とクララ嬢が簡潔に説明した。


 ナイツとそのパートナーであるヒジリとサヨリ嬢にはその程度の情報で十分なのである。


「さらに詳細を述べますと、第一番隊が標準級標準装甲で隊長がダイヤ・カークランド大佐、第二番隊が標準級軽装甲で隊長がジーン・クレファレンス中佐、第三番隊が標準級重装甲隊長がレオン・スィルベント少佐になります。現在新型機シュレイディア及び指令中隊のシュレイディア・ガーディアンズ六機のみ重装カスタム装甲仕様機で指令中隊指揮小隊を除く全機が機種転換が終了し完熟訓練中です」とアスカ嬢が細かい解説を述べた。


 簡易線の道路二車線(片側一車線)を走って行く各部隊前をゆっくり目で流して走っていく、「シュレイディア及びシュレイディア・ガーディアンズは鎧武者型標準級S+クラスの魔導機になります。主兵装は内蔵火器群と魔導式の太刀と第一番隊は中型シールド装備、第二番隊は小型シールドを装備、第三番隊は重装用の大型シールド装備でガーディアンズのみ護衛用の超大型シールドが標準装備です。各シールドは魔導防壁が組み込まれています」とアスカ嬢がシュレイディアのクラスと装備について語った。


(標準級:MMの規格上の寸法で一番標準型に近い機体であることをいい表すモノ)


(S+級:量産機にはほぼ付かない特殊機やフルカスタム機に着くクラスである、だがギルディアスの財力にものをいわせ少数生産のみという限定発注ながら量産して見せた奇跡の機体といわれることになる機体)


 時間は十四時にかった処であった。


「次は西側ブロックを案内します」とクララ嬢がいった。


「西側ブロックへの入り口は重MMでも二機が間隔をしっかりと開けて並んで通れるサイズになっています」とアスカ嬢が追加した。


 簡易線の道路から幹線道路に戻った。


「西ブロックは、MM第四番隊から第七番隊までの整備補給区画と各種施設が入っています」とクララ嬢が軽い説明をする。


「MMは西ブロックと中央ブロックでは若干種類が違います。西ブロックは新設の七番隊を除き、ギルド正騎士団使用機のギルディュースを改良したシルヴェントが使用されています、現在改良作業が進められています。新設の七番隊のみ中央ブロック第一番隊と同装備のシュレイディアが使用されています。あと他に御客人専用の整備ポートが六機分設けられています、FPTも停められます」とアスカ嬢が解説し、追加する「各部隊長名は第四番隊隊長がセイラン・マデューク少佐です、第五番隊隊長がライアルド・マークス少佐です、第六番隊隊長がレランディア・ファーニアス少佐です、第七番隊隊長がコマチ・アラ・ニス少佐です」とアスカ嬢が手早く説明した。


「シルヴェントは、騎士型標準級標準装甲仕様のA+クラスの魔導機になります、主兵装は内蔵火器群と太刀から片手/両手両用の魔導剣に変わっています。盾は標準型のヒータシールドを使用します魔導コーティング済みです。この仕様変更により本国仕様の混じりものから正式な騎士型になりました。又オプション装備も豊富です」


「元になったギルディュースが騎士型と鎧武者型と軍事型の良い所取りの機体でしたので騎士型と軍事型の仕様にしたともいえます」と説明する。


(ギルデュース:ギルド国家ギルディアス正騎士団採用魔動機、基本は騎士型に軍事型を混ぜているそこに武器だけ鎧武者型の特徴ともいえる高耐久の太刀を持つためごった煮になったA級機といわれているがその実力はA+級に匹敵しギルディアスはこの機体を三万機程生産している)


(魔導剣:魔導式術式を付与し魔化させたうえ使用される高品位の魔導式実体剣)



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