第二九節:グランシスディア料理とチンピラ
料理を食べ終えると「もう昼になりそうですね」とアスカ嬢がいった。
時計を見ると確かに一一:〇五になっていた、「そろそろ出ようか直ぐに昼飯というのもアレなんだが。FPVでも下道なら三十分はかかるからな」と私が告げる。
「かなり遠いのですね」とはアスカ嬢。
「飛行高度の制限が厳しい所にあるからな」と私が追加でいうが情報は少なめに留めた。
「帰りは本屋に寄るから上道を使うが」と私がいった。
「じゃあ行くか」といってフロント・クラークに鍵を預け。
「行ってらっしゃいませ卿」という挨拶には手を挙げて対応し。
実際に都市にとっては外区といわれるところに店が有るのである。
三十分ほど走ると「確かに武器が要りそうな場所だな」というヒジリの声が聞こえた。
武器を携帯し、FPVから降りて少し歩くのであるさらに歩いて十分、此処だ。
見た目は廃屋に近いが中身はしっかりとした店であった、「店長おすすめの安全な場所に停めて来たよ」と私が店長にいった。
「いらっしゃいませ卿。お待ちしておりました」と深々一礼しながら店長がいった。
「しかし人気の店なんだろう、流石だな貸し切りに出来るあたりが」とヒジリがいった。
公爵+公爵御令嬢+男爵の組み合わせである安全に行くならば貸し切りしか無かったのである、私自身が既に国賓扱いであるしアスカ嬢も国賓扱いなところへさらに異名持ちの国賓が二人も加わっているのである。
グランシスディア側としてはこれ以上問題を起こしたくないと思っていたところへさらに昨日私が爆弾を投下したためかなり、州政府側はきりきり舞いしている様子が伺えた。
まあ私の懸念は当たることは無かったから良かったようなものの。
部隊隊員にぶち当たらずによかった、ギルド支部隊からは近いのでひやひやしていたわけだが、店が近付くにつれて口数が減っていったアスカ嬢も同じことを考えていたらしい。
尉官以上とデザイナーには作戦の内容が伝わってはいたが情報漏れの懸念からそこまでで止まって居たのである。
「今日はよろしく頼むよ」と店長に私がいった。
そしてコース料理が始まったのであった。
グランシスディア風の郷土料理の数々が運ばれてくる、どんどん運ばれてくるためペースは早かったがどれもイロモノ料理では有ったが美味いには美味かったので文句は出なかったのである。
肉系七:魚系三:野菜系〇の比であった。
香草などは使われているものの。野菜そのものが無かったのである。
所謂マンモスの肉あたりの肉々しい肉とかがベースであったのである。
そして帰り道こっちは予想していたが居るにはいたか、ここ等のは一回駆逐しないとダメだなと思っていた連中と角を曲がってばったりと出会ったのである。
「カワイ子ちゃん連れてるじゃねぇか置いていてけよ」といいながら魔導光剣を全員八人ほどが抜いたのである。
「俺が誰だかわかって魔導光剣を抜いたのか」というドスの効いた声が路地裏に響き渡った序に零番を外して胸に引っかけてさらに威圧した。
「知ってるか?」と仲間に聞いたが「はぁ?」とか、情報そのものを見ていない様な所謂しらないかモグリか田舎者であった様であった。
「ヒジリに名乗るなよ」と小声でいっておいた。
「今のうちに逃げ出すなら叩かないでおいてやる」とさらにドスを効かせた。
「知る訳ねージャンおっさんなんか!」
「カワイ子ちゃんだけおいてけよジジイ」
「一度痛い目は合わせておかないといけないようだな」
「青い閃光だ! 覚えておけ!」
というとATをリミットまでカウントアップさせた。
その瞬間私の姿が描き消えた、そのまま奴らの裏手まで
瞬間に全ての魔導光剣の発光体部分を次元斬といいながら素手で叩き切った。
軽くバク宙を行って、そいつらの裏手からアスカ嬢の前まで瞬時に戻る。
「まだやる気か?」というと。
「カワイ子ちゃんおいてけよー」
「自分の得物の状況が、直ぐに分からんのにまだいうか?」と私がやさしく注意してやる、「お前らもう素手だぞ?」ヒジリがいった。
「何だオラこの剣が見えねえのか!!」
といって自分の剣を見る既に発光体が壊されており発動し無くなっていた。
「まだ俺とやるつもりか、この青い閃光と」と静かにいいながら近づいてやる。
「ひっぃぃぃぃぃいぃっバケモンだー!!!!」
「逃すと思ったか?」と一瞬で回り込んでショートソードを右手で抜いた白く輝いている剣に気力を注ぎ込み青く発光させる。
アスカ嬢の両手の間にプラズマが躍っていた「既にチャージ済みか」と呟く。
「後ろに行っても黒焦げになるだけだぞ、大人しく死ぬか!土下座するか!どっちかにしろ!!!」とドスを効かせ切った。
「ひぃぃぃぃ」おつむも無かったようで。
「俺の左手に注目しろ!!」
“バチバチバチ”と青いプラズマが出来上がっていた。
左手で指を鳴らす。
その瞬間青いプラズマが青い閃光を伴って弾ける。
次の瞬間、八人が、ビクンビクンと二回ほど脈打つとバタバタ倒れて行った。
「アスカ治めても大丈夫だぞ」私がいう。
即駆けてきて「殺したんですか?」と私に問うアスカ嬢、「いや只のスタンに魔導を加えただけだ。こんなの殺す価値もないよ」と私が静かにいった。
「さて、後はナイツポリスに任せよう」と普通の声でいった。
「本屋に行くぞヒジリ!!」と私が叫んだ。
ヒジリも来たしサヨリ嬢も来た。
「さっきのは?」とヒジリがいった。
「ありゃ只の手品だ。スタンを右手で八人分用意しておいて、左手でフラッシュの青い奴を放っただけだ」と私が種明かしをした。
「まぁ、腕は衰えて無いだろう?」と私がいうと、「以前よりも速かったぞ!!」とヒジリがいった。
「そうか? むしろ遅くなっていると思うんだが」といいながら歩き出した。
その後そいつ等が無事に捕まって、『青い閃光』の名が一時的に三面記事に載った位であった。
第十一章 第三〇節へ
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