第二節:カリキュラムチェック
「あとはカリキュラムのほうか、アスカ大尉とりあえずそちらのカリキュラムを読ませてくれ、こちらのカリキュラムを渡そう。お互いに読み合えば、ダブルチェックもかけられるし、分かり難いとかそういうモノは消えるはずだ」といって『データパッド』をちょびっと机から出す。
アスカ嬢のほうでも同じように、机からちょびっと出し通信が可能な範囲に設定した。
お互いにデータのコピーを交換する。
「これが終わったら見舞い、都市病院に行くが誰か来るかね?」と私が聞いた。
「終わったらですから、お昼過ぎくらいにはなると思うんですがちょうどよい時間帯ですね。私も行きましょう」とアスカ嬢がカリキュラムを見ながらいった。
「流石、教師資格を取っているだけありますね」とアスカ嬢が唸る、分らないところが見当たりません。
「私のほうが感覚的に書いてるところが多いのでそこいらが引っかかるんでは無いでしょうか?」とアスカ嬢がお茶をお飲み始めた。
すでに冷めてはいるが上質のものなので冷めても美味しいのである。
「このメンバーだと、荒は見つけにくいのでは?」とクララ嬢が突っ込んだ。
確かにそれは考えられるが……と考え込んでいると、「誰か魔法を触ったことがほとんど無くてかつ、今空いているヒマなメンバー」ということで考え込むアスカ嬢が居た。
難しい問題に、直面したと私は思った。
ふと私は思った。
確かメールのリストを作ってあったな、確かこの変にと『データパッド』を弄る。
魔法を全く使ったことの無い、メンバーとしては十七人が挙がっていた。
今暇な部隊ではと、探し出す「三番隊が帰ってきて間もない、いやもう寝ているか……」
「しかし、六番隊までならアレだが、七番ができるということは、誰かの部隊には休暇が回せるな」と、私がいって「コマチ!!」とアスカ嬢と私が同時に叫んだ。
「今ヒマでなおかつ、魔法のマの字も知らなくて、精霊魔法も使ったことが無い……」とアスカ嬢がいう。
ちょうどよい人材を見つけたと、いわんばかりに。
「今なら、まだ問題はないはずだ、七番隊隊長を呼び出してくれ。アスカ大尉」と、私は即告げる。
そして、「七番隊隊長コマチ少佐、所用ができましたので、支部隊隊長室二階へ、お越しください」と、アスカ嬢がお呼び出しをする。
数分後「何かありましたか?」とコマチとサリィ嬢がやって来た。
ちょうど良いのでパートナーのサリィ嬢にも、確認をお願いすることにした。
私がまずサリィ嬢に「分からないところが有ったら、遠慮なくいってくれ」といって、魔導のカリキュラムをデータで渡す。
アスカ嬢が「コマチ少佐に、これを読んでみて分かり難い、又は分らないところが、あったら教えてくださいね」といって、精霊魔法のカリキュラムをデータで渡した。
コマチ嬢とサリィ嬢はそれぞれの『データパッド』で、データを受け取ると読み始めた。
流石サリィ嬢のほうが、この手の作業は早いようで、「特に、問題はなさそうですが」とのことである。
「やったら、できそうかな?」と私が聞いたニューレス種のほうが、魔導力は強いことはすでに実証されているからでは有ったが。
「ここでするのは、少々勇気がいりますね」とサリィ嬢がいった。
「ということは、できるということか」と、私が呟く。
「てことは?」とコマチ嬢のほうを見る。
この手の資料を読み慣れて無いせいでどこを読んでいるか、分からなくなっている様であった。
「んー」と私が唸った。
アスカ嬢もコマチのほうを見て、「うーん」と唸っていた。
考えて居ることは同じようでやってできるのと、読むだけでできるようになるのとは少しどころか大きく違うようであった。
あとは実地でどうなるかかな? と思ったので。
しかし今は、広場といえるスペースは……無い訳では無いなと、思いながら「クララ本日の外の天気予報は?」とクララ嬢に聞くと。
「今日は、晴天全快のはずですが……、あー実地ですか?」と答え。
「どっちの、実地からやりますか?」とクララ嬢は続けた。
「外だから、先に読み込んでいる。精霊魔法のほうが、都合がいいかな?」と私が状況を考慮しいった。
「今から、魔導のカリキュラム読んでも、間に合いそうにないしな」とも続けることにした。
「魔導の経験のないサリィ嬢でも読めるということは、一応大系列的にも何とかなっているわけではあるし。精霊魔法のほうを、優先しよう」と私が実際にやるのは、最初にリードした方だろうといった感じで。
「精霊魔法はリアクションも、早いだろうし」と私は続け、そちらのほうが興味もあるとも思った訳だが。
だが問題が有った。
コマチ嬢が、読み込んだ姿勢のまま動かないのである。
「これは中止だな、見舞いに行こうと思う」クララ嬢にいった。
「私は、コマチさんを、眺めることにします」と、要するにお留守番宣言であった。
第十章 第三節へ
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