第三節:大叔母様の死と神官戦士団入団

 大叔母様と相談して「再三神官戦士団に誘われてはいるのですが、今まで学業を理由に断ってきましたが今は断る理由が見当たりません」


 と大叔母様にいうと、「行っておいで」と優しく語りかけてくれたのである。


「私ももうこの歳だからね夢をたくさんありがとう、これからも私の良い息子でいておくれ」と大叔母様がそういったのである。


「でもね弱きを助け強きを挫く、といったあの日のことは覚えているよ」といわれ懐かしそうに「アスカが風紀委員になった日のことはよく覚えているんだ」といいながら。


 私の頭をなでながら「戦争の無い世界なら良かったのにねぇ、神様はどうして人にこんな試練を課すのかねぇ」といってから「人々の力になっておやり、私の息子たちもそう言ってから逝ってしまったが、不思議とアスカだけはそうならない様な気がするんだよ」というと。


「手を握っておくれ」といわれたので両手で大叔母様の手を握ると「温かい手だねぇ、この温もりなら沢山の人たちを助けられそうだねぇ」といって少し休まれた様だった。


 その後も手を握り続けたのだが、力は戻らず一緒にいたメイドに大叔母様が……といってお医者に急いで来て診て貰ったが、ご臨終の様です。


 といわれてしまったのであった。


 一緒に居たメイドからは「坊ちゃまの手を握る大叔母様は、とても幸せそうでしたよ」とはいわれたが。


 涙があふれてきて、止まらなかったことを覚えていいる。


 その日は数度しか泣いたことの無い僕の、二度目か三度目に泣いた日に数えられることになったのである。


 葬式は質素に執り行われて行き、土の中に埋葬されていくという。


 人が死ぬということの重さを真直に見て、感じ取れるようになった頃の話であるからしてかなりショックはかなり大きかった訳である。


 その後、書置きが見つかりこのことを予言していたように『アスカに土地屋敷と残った財を全てを、アスカ・ジークレフに譲る。』と書かれて大叔母様の直筆のサインされている遺書が見つかったのであった。


 僕は神官戦士団に入らなければいけませんので、と執事さんと話をしてその間は必ず私たちが家を守りますのでご安心くださいと。


 坊ちゃまが戻られるまで、この家屋敷は間違いなく我々で守りますのでとサインを交わし。


 神官戦士団に入ったのであるほぼ鳴りもの入りで入ってしまったため、最初は鍛えに鍛えられたがそれが苦にならなくてそれ以外にも自己鍛錬を欠かさなかったためかアイツは化物かといわれて。


 上級の神官戦士の試合の練習相手にも選ばれ、メキメキと頭角を伸ばしていった。


 ヒジリも同様に頭角を伸ばしていったわけでは有る、同じように鳴りもの入りで入り二人とも院生を完全修了させてから入ったためとても目立ったのは確かであった。


 そして十五歳に成ろうという頃、休暇で実家に一旦帰り実家で過ごしていた際。


 街で襲われそうになっていたクララ嬢を偶然助けてしまい、クララ嬢に一目ぼれされてしまう確かに魅力は高かった当時から今も変わらずではあるが。


 その後神官戦士団でも指を折って上から数えたほうが早いと、二人共が言われるまでに成長してしまったが故に二人そろって戦争に駆り出されることに成りったが二人ともパートナーが不在ということで発表儀礼にほぼ強引に引きずり出され、有りとあらゆる誓約書や公表してもいいパーソナルデータや等を書かされ。



 初めての発表儀礼に及ぶこととなるのだが。


 礼儀作法は抜けが無く公表しても良いデーターにも抜けが無く、ヤツ等こんなに良かったのかと神官戦士団の上位から言わし占めた優良どころか最良のパートナーと出会えるのではないかとまで言われて事実すべてに礼儀を欠くこと無く。


 発表の段階で複数のパートナーからご指名されたが、クララ嬢からも指定されていたためクララ嬢を選んだという。


 ヒジリも似たようなモノで、二人のパートナーからご指名を受けていたが年恰好の近いL型を選んでいたのである。


 その様な結果になったこれに対して神官戦士団は二人とも上位十位以内に入る神官戦士なので問題はないといい、ワイトラウド国としては有能な戦力が増えたということで神官戦士団は喜んでいたが。


 ここでも王寄りの上級貴族の権威が振るわれそうになったため一部の者たちの横暴により有能な、神官戦士を失うのは心が痛むと言って。


 当時の国王側の上級貴族と争っていた神官戦士団は、聖人を一人迎えることとした。


 その際に呼ばれたのが当時の学長であり当時の学長はまだ目覚めてはいなかったため供を二人選んで神域まで行き目覚めるかどうかを確認する、という行為に二人ともが供として選ばれたのである。


 学長シュワイデル・アララトギが指名したのである。


 学長ともう一人は良く知る友、ヒジリの顔であったため。


 神域に行くための供に一人は指折で数えると十人目にもう一人は五人目と言われていたしヤツ等本気では無いからヤツ等の実力は判らない、とまで上級の神官戦士にいわしめたほどの実力が有ったのである。


 実力はひけらかすモノではない、と黒服の人から教わった教えを忠実に守り続けているのでもあった。



第九章:過去話前編 第四節へ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る