第六節:運命の人

 最後にトリのディシマイカル・Fフリュー・グリッド侯爵の手によるEvエヴォリューションニューレース種ですと発表が始まった。


 侯爵の発表した新人たちはS型、M型、L型と珍しい順に並んでいた。


 そして会場が異例いれいのざわつきを発生した、M型とアスカ嬢が礼儀作法のアピールを終え雰囲気のアピールに入ったところで、であった。


 M型のほうからアスカ嬢の両手を握り「貴方あなたをお待ちしておりました」と逆告白ぎゃくこくはくされたのである。


 これには会場もどよめくしかなかった。


 デザイナーも失礼しつれいなことがいえないため、立ちくすしかなかったという。


 とうの私は、あーあの時かなと思ったくらいである。


 でもなんで、ここまで引っ張ったのかはなぜか分からないと思ったのだった。


 でも私もうすれゆく意識の中での、できごとであったため。



 アスカ嬢との間に、何かあったのだろうな程度にしか考えていなかったのである。


 流石さすがに時間が来たのでそこまでですと物言ものいいが入ってしまったが。


 今のはめずらしかったですなと公爵陣こうしゃくじんの中では好評こうひょうはくして今回の一位ではありませんかな? との話もあったくらいではあった。


 そしてL型の発表があり。


 求める者のアピールタイムが全て終了した。



 そして原種又Evニューレース種から誰のところへ行きます宣言が、発表され始める。


(この宣言はニューレス種でもH型とMc型のみに許された確定発表カクテイハッピョウでもあるのである)


 そして『データパッド(サイオン社製二九〇四〇)』を使用した公文書確定の作業に入ったのである。


『データパッド』今回のバックアップを表明したサイオン社からの贈答品であり。 

 各原種又Evニューレース種一人一人に手渡されていたものである。


 原種又Evニューレース種から発表が行われると同時に、どちらの方かが後方の白幕に表示されるようになっている。


 白幕に表示されるのはパーソナルデータの内個人が発表された際には公表してよいといったものだけが並ぶようになっているのである。


 トリになった。


 S型は高名な聖堂騎士団の支隊長のところへ嫁いだようであった。


 問題のM型はアスカ嬢を指定した。


 そして白幕にアスカ嬢が公表してよいと言ったプロフィールが展開されアスカ嬢が壇上だんじょうに上がり、M型が展開てんかいした『データパッド』の主人選定しゅじんせんていりこの者が主人となると書かれている間にサインを行った。


 当然、拍手が広がった。


(他の方でも同様に決定した場合には、拍手が広がっていたのではあったがれんばかりの大きな拍手が会場を包んだのである)


 そして最後のトリL型はこれも高名な東国の騎士団に所属するナイツの元に嫁ぐと発表した。


 そして発表儀礼がとどこおりなく終わる。


 若武者(ブルーアジュール準騎士団隊長)の終幕宣言しゅうまくせんげんが宣言され無事発表儀礼が終わったことになるのであった。



 因みに余談よだんにはなるのだが。

 コマチはLL型の戦場帰せんじょうがえぐみニューレース種から発表を受けていたし。


 レオンはダメだと思っていたと元鞘もとさやのニューレース嬢から発表を受けていた。


 特に何も魔物の気配もなかったなと私は思っていた。


(魔物の気配は確かになかったのである)



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