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Race meeting:種族会議


 全ての意思疎通が可能な者が生存する国では、年に二期春期と秋期に集まって会議を行う国際的な決まりがある。


 その場に行けない場合は、代理システムという通信機材で、参加することも可能である。


 その会議の名を『種族会議』という。


 元々は、紛争解決のための組織だったモノが大きく発展し、現在の形となったという経緯がある。



 種族会議に出る代表はコモンレースはコモンレースのエルフはエルフの各種族は各種族の評議会会議により定められており、各種族の評議長で有るといえる。


 この会議での決定により、各種族の運命が決まるものだからかなり難解な会議が行われている。


 評議会では各部族共に、団長・副団長・補佐官七名という形で参加し全十三種族で開催されることになる。


 エルフなどほかの種族においては誰が上位、下位であるかかなりはっきりとした定義を持つため争いなどに発展することは無い。



 コモンレース種はその線が曖昧であるため、コモンレース種だけは戦争に突入する場合もある。


 但し、戦争をした国の長は両者ともに罰則がかけられ評議長には選ばれぬ仕組みになっているので戦争に突入することは稀である。




 人族が滅びの道を走っていると分かり、新人族を誕生させた時は皆で喜んだ。


 種族会議では様々なことをより、平等になる様に話し合われるのが目的なのである。


 ただコモンレース種は自分の意見ばかりを押し付けてくるので種族会議では特に疎ましがられているのが実情ではあったが、現在はそこまで横柄ではない。


 二万七千年前の原種NRニューレースの件といい、新たな種族が、誕生したことを祝う祝賀ムードの中で原種NRは自分たちのものだという発言をしたため。


 他の全種族から総スカンの意を投げられてしまったりもした。


 ナイツやメイジが生まれるのはコモンレース種だけというなら話は通ったのだろうが、他の種族からもナイツやメイジは出てきており尚且つMMの操作の件では各国が頭を悩ませていたころでもあったのである。


 MMは複雑かつ、超高精度を求められる機材で、只のコンピューターではすでにサポートにならないことまで分かっているところに、原種ニューレース・ホムンクルス種として新たに種族が加わったのである。


 MMを制御する、ためだけとはいえ可憐な、小粋な姿の種族に当初、コモンレース種以外は戸惑ったわけである。


 そして議論に次ぐ議論の末、彼女(彼)らに人権を与えること等が盛り込まれた法案がコモンレース種以外のほぼ全会一致で決まったのである。


 全種族、同一の権利として、彼女(彼)らを発表儀礼、並びに簡易式典でも彼女(彼)らの意見を尊重し行く先を決められるようにしたものである。


 ニューレース種の件はそれだけにとどまらなかったが、他種族との話し合いで意見の一致を得て法が様々に分化していった。


 現在では、一万五千年以上経つが特に問題なくなっている。



 日々新たな議題の出る種族会議で色々な議論を年二回のペースで話し合い春季・秋季の気候の穏やかな時期に話し合いを行うことで余分な争いや無駄話を避ける狙いがあると見える。


 神域の国境の大都市に集まることになっている。


 大都市と冠された場所は神域の中でも比較的安全な場所にある。


 危険動物や害獣が少ないことや戦乱の起きない所という条件の元、神域の地方都市「エヴァリアヘルム」で種族会議が行われることになった。



 聖宮殿の近くにある街である。


 会議が開催されるとなると聖宮殿からも剣聖とはいわないが、次期剣聖候補者やその下位のヴァーチューズ(力天使)くらいの階位の聖殿剣士が派兵され毎度のことながら種族会議がある時は厳戒態勢となる。


 各国の警備態勢とも勝ち合わないように事前に、聖宮殿のほうから各国に使者が送られ地道な打ち合わせが執り行われるのである。




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