速いよ!

50メートル走のタイム測定が始まり、各々が疲れたーと汗を流しながら話していた。


「やっぱり香織が言うだけあって速いな。7.9秒だって」

「凄いね!男子でもないのに7秒台なんて!」

「そうだね。中学で陸上部やってだけはあるね」


現在、香織が女子の中で1番タイムが良かった。


「ふっふっふっ!詩音、どうだね?私に勝てるかな?」


香織はドヤ顔で詩音に言った。


「うん、勝てるけど?」

「そうでしょう!そうでしょう!私に勝てる訳が・・・えっ!?勝てる!?」


香織は驚いた様子で詩音に言い寄った。


「前にも言ったけど、私は調子の良いときなら7秒を切るからね?」

「あれ本当なの!?」

「まぁ、見ててよ」


詩音がスタートラインに立った。ちなみにポニーテールにしている。


きゃー!カッコいいよーーー!!!!


「さて、実際はどうかな?」


パンッ!と音がなり詩音が走り出した。

速い!


あっと言う間に50メートルを走りきった詩音のタイムは─


6.8秒!?


歓声が上がった。


「凄いよ!?」

「男子よりも速いよ!?」

「カッコいい!」

「はぁ、詩音お姉様素敵です♪」


おい!最後のは誰だ!詩音の周りに人だかりができた。


「ちくしょー!勉強もできて、運動もできて、更には美人で巨乳なんてチート過ぎるだろう!」


香織は小鳥にボヤいた。


「なんかもう、詩音だからって言えば終わっちゃうね~」

「そうだねー、実際に詩音は凄いと思うよ。気取ってないし、気さくで付き合い易いしね」


しばらく詩音を讃える人だかりで時間が潰れた。体育の時間が終わり、昼休みになった。


「お昼だーーー!!!!」

「喰うぞーーーー!!!!」


めぐみと小鳥が叫んだ。


「二人とも恥ずかしいから叫ばないで・・」

「そう?午前中に体育があったからお腹が空いたよ!」


静香が二人をたしなめるが、空腹には勝てすぐに弁当を取り出した。


「あれ?詩音はパンだけなの?」

「んっ?まだあるよ?」


カバンからメロンパンが3個出てき

た。


「た、食べるね・・」

「意外に大食いなんだ?」

「メロンパンが好きなの?」


「今日はめぐみの家でバイトの初日だからたくさん食べるのよ。メロンパンは好きだけど、コンビニで良さそうなのがこれしか無かっただけよ」


小鳥がんっ?と気付いた。


「今、さらりと重要な事を言わなかった?」

「確かに私も聞こえた!」


香織だけ気付かなかったようで???を浮かべていた。


「詩音がバイトするって言うだけでなんかあった?」

「バカッ!めぐみの家でバイトするって言ったんだよ!」

「えっ!?マジで?」


「あんまり大きい声でバラさないでよ?」

「わかっているって♪」


あんまり信用できないけど・・ね?


「実際、めぐみの家で何をするんだ?」


詩音は考えながら答えた。


「めぐみを朝起こして、服を着せて学校へ送る。帰ったらまた着替えさせてお風呂で背中を流して、夜の伽を務めるのよ」


ぶっ!?


「ちっがっーーーーーう!!!!」


めぐみがキレた。


「どんなご褒美よ!?それ!実家の喫茶店の店員をやってもらうだけだからね!!!!」


願望を詩音の口から言われためぐみだった。








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