もしもヒロインが生粋の貴族であったなら!(by転生悪役令嬢より

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もしもヒロインが生粋の貴族であったなら!

どうも初めまして!


naturalsoftの小説でお馴染みのマスコットキャラクターシオンちゃんです!


きゃー!!!ドンドンパフパフー!?



そこはドン引きしないで下さい。ちょっとしたお茶目ですよ?


コホンッ!


改めて、わたくしシオン・ガーディアンはスペクトル王国の4大公爵家の長女として生を受けました。私は産まれた時から前世の記憶がありました。そして1人で動けるようになってからここが乙女ゲームの世界だと気付いたのです。


「わたし、あくやくれいじょうじゃん!」


幼女の姿でとても驚きました。そして5歳になる頃に、前もってヒロインの存在を探しました。一般的なベタな展開で父親は男爵で、幼い頃は平民として暮らしており、母親が亡くなってから男爵家に引き取られた。そして録に貴族のマナーなど知らずに、レアな光属性の魔力持ちと言う理由で学園に入学してくる……


う~ん?


いかにもな設定ですね。何の捻りもありません。名前が分かっていたので、探すのは簡単でした。公爵家の力を舐めんなよ!ではなく、ピンク髪の女性は珍しいので。


そして見付けたからには、やはり暗殺して婚約破棄を防ぐのが1番………くっくっくっく。


………なんて恐ろしい事は考えていません!


いつものストーリーでは、ヒロインは貴族のマナーが成っていないと嗤われるので、ストーリーを変えてみましたよ?


男爵家に圧力を掛けて、ヒロインとその母親を引き取らせました。無論、支援金を大量に渡してね。(ニヤリッ)


男爵にはヒロインに立派な貴族のマナーや勉強をさせる事を約束させました。そして、いくつかの事業を男爵に任せて、うちと繋がりを持たせました。下級貴族の男爵家ではとても喜んだでしょう。


まぁ、私も内政チートを使って領地を潤したので楽勝でしたよ。


よしよし、順調に調………教育は進んでいるね!


そして、なんやかんやでこの国の第一王子であるレオンハルト王子と婚約する事になりました。うわぁ~面倒くさっ!?


マジで王妃教育って厳しくて辛いんだけど?逃げていいかな?ダメ?物語が進まないって?


知るかっ!?こっちの身になりやがれ!!!


ドナドナドッナーで頑張りましたよ………はぁ~


そして、なんやかんやで15歳!学園へ入学します!


ここからメインストーリーが始まります!



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

オルフェイス学園


スペクトル王国の貴族の子供が入学する事が義務付けられている学校で、魔法の授業があるのです。ちなみに私は【闇属性】です!…………何か?悪役令嬢なのよ!文句あるっ!?


はぁはぁ・・・

そうそう、婚約者であるレオンハルト王子とは、余りうまくいってません。まぁ、愛のない仮面夫婦ってヤツかしら?一応バカ王子ではなく、そこそこ優秀の部類に入る王子ではないでしょうか?面倒くさがり屋ですけどね!


そんな普通の王子も、ヒロイン補正が掛かりイベント続出で、ヒロインにぞっこんになりましたとさっ!


めでたし!めでたし!じゃない!?

ヤバいよ!私!?どうする私!?


ちなみにヒロインの評価と王子の関係はこんな感じ。


「ねぇ、聞きまして?マリア(ヒロイン)さんは下級貴族の方なのに立ち振舞いに気品があって羨ましいですわ!」

「ええ、聞きましたわ。それに珍しい光の属性ですのに、威張らず謙虚で好感が持てますわ」


うむうむ!調教……もとい、教育の賜物ですわね♪

それにしてもヒロインが【NPC】(ノンプレイヤーキャラクター)で助かったわね。同じ転生者だったら上手くいきませんでしたよ!


学園ではすでにレオンハルト……長いのでレオン王子がヒロインに次々とアタックしていた。


「おい、マリア(ヒロイン)一緒に街へ遊びに行かないか?」


無駄に自身満々の王子にマリアは言いました。


「レオンハルト様、お戯れもほどほどにして下さい。シオン様という淑女の鏡とも言われる婚約者がいらっしゃいますのに、私などの下級貴族が『遊び』で行けるはずも御座いません」


マリアは綺麗にカテーシーをして、唖然としている王子を置いて行ってしまった。


あるれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!?

(;´-`)?


懲りずにまた王子がマリアにちょっかいを掛けていた。


「おい!マリア、一緒に昼飯を食べないか?学園内なら良いだろう?」


マリアは微笑みながら言った。


「レオンハルト様、お誘いは大変嬉しいのですが、担任の講師の方が探されていましたよ?なんでも課題を提出していないのはレオンハルト様だけとか………まさか、全校生徒の模範と成らなければならない王族の方が午後の授業までに提出しないと言うことはございませんわよね?」


マリアは微笑んでいるが目は笑っていなかった。王子は思い出したかのような顔をしたが、マリアはそのまま行ってしまった。


あるれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!!!?


そしてまたまた………


「おいマリア!ダンスの相手を務めてくれ!」


ダンスパーティーへのパートナーのお願いであった。


「あら?レオンハルト様にはすでにシオン様という素敵なパートナーがいらっしゃるではありませんか?嫌ですわ。婚約者がいる方とは踊れませんもの。御冗談がお好きな方ですわね」


マリアは微笑んでその場を後にした。


「くそっ!何故だ!?俺に靡かないなんて。いつもいつもシオン、シオンと!忌々しい!?」


おいおい!完全に逆恨みではありませんか!?

私は急いでその場を逃げ出しました。



そして、王族主催のダンスパーティーの日になりました。いつも通りエスコート役の王子は来ませでしたので、私は国王様と王妃様と一緒にお城で雑談していました。


「うむ、シオン嬢よ!すまなかった!」

「ええ、本当に申し訳ありません!」


レオン王子が別に好きな方が出来て、私を蔑ろにしている事はすでに周知の事実でした。

ふふふっ、私がただナレーションに勤しんでいたのではないのですよ?

ざまぁされない為には、念入りな根回しが必要なのです!


後は、激昂した王子に殺されないよう気を付けるだけですわ!


こうして私は国王様と王妃様と一緒に遅れてダンスパーティーへ向かうのでした。


一方、王子は─


「大変申し訳ありませんが、マリアお嬢様は昨晩、婚約者様の屋敷へ向かいそこからダンスパーティーへエスコートされながら向かうとの事でいません………」


!?


「バカな!?マリアに婚約者だと!誰だ!そいつは!!!」


なぜ好いている女性に相手がいないのか確認しないのか………決してバカではないのに、恋は盲目と良く言ったものです。


男爵家の執事から出てきた言葉にレオン王子は憤慨した。


「四大公爵家であるレイン・ガーディアン様でございます。貴方様の婚約者、シオン御令嬢の兄様でございますよ?なぜ知らないのですか?」


!?


バカな!バカな!!バカな!!!


シオンめ!俺がマリアに取られると思って兄を差し向けたのか!?

(いえ、学園に入る前から婚約しています。シオンの兄レインは他国へ留学のため居なかっただけです)


こうして王子は1人怒りながらダンスパーティーへ向かうのでした。



パーティーが始まり、王子は厳しい顔でパーティー会場を歩き廻った。すると─


ざわざわ!

ざわざわ!


「きゃー!見て!レイン様よ~!」

「えっ!?留学から戻られたの!?」

「隣にいる女性も綺麗ね~?」

「レイン様の婚約者みたいよ!お似合いね!」


辺りから称賛の声が上がった。


「おい!どういう事だ!」


レオン王子がマリア達に噛み付いた。


「おや?王子、どうされたのかな?」

「何を涼しい顔をしている!マリアは私の物だ!離れろ!!!」


王子の言葉にレインの顔から笑顔が消える。


「私の愛する婚約者を俺の物とはどういう事ですかな?」


マリアと相思相愛で溺愛しているレインは、全身から殺気を放った。


「っぐ!?」


レオン王子は余りの殺気に尻餅を着いてしまった。


「マリア?どういう事かわかる?」

「はい、以前から遊びやら食事やらしつこく付きまとわれて迷惑していました。しかし、私が尊敬するシオン様の婚約者です。やんわりと断っていたのですが………まさかそんな風に思われていたとは………」


マリアはうつむき震えていた。


「そうか、貴様は我が妹という最上級の令嬢と婚約しておきながら他の令嬢に付きまとっていたのだな?クズがっ!!!」


レインの声がパーティー会場へ響き渡った。

すでに王子が悪者という認識で、誰も王子を庇おうとはしなかった。


「確かに、クズであるな!」


バッン!と扉が開き、国王様と王妃様、私が入って来ました。


「見損なったぞレオンハルトよ!婚約者であるシオン令嬢をエスコートもせず、他の婚約者のいる令嬢に付きまとうとは!」


レオン王子は弁解しようとするが、有無を言わせず衛兵に連れて行かれた。


「皆の者、すまなかった!引き続き、パーティーを楽しんで欲しい!」


わぁー!!!

わぁー!!!


「マリア!久々に踊ってくれるか?」

「はい!レイン様、喜んでっ♪」


あぁ~あ!いいなぁ~私も好きになった相手と踊りたいよ。


ええ、ダンスパーティーをパートナーも無くただ見つめていました。


そんな事を思っていた時期もありました。ええ、ありましたとも!


後日、正式にレオン王子と私の婚約破棄が受理されました。


するとどうでしょう!毎日の様に、有力貴族や他国の王子からのお見合いやパーティーの誘いが山の様に来るようになりました。


「シオン様はとっても素敵な高嶺の花ですもの!フリーになったら奪い合い必須ですわ♪」


マリアが上機嫌でそんな事を言ってくる。くそう!自分はもうすぐお兄様と結婚するからって!


「まぁ、私が認めた者しか許さんがな?王命で仕方なくクズ王子との婚約を飲んだが次はない!」


あら?お兄様はシスコンでもあったのかしら?マリアの教育とざまぁ回避に夢中で全然気が付きませんでした。


まぁ、これからゆっくり自分の為に時間を使うのもありかな?


こうして慌ただしい日々が過ぎていくのでした。



END





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