【虐殺姫】としての異名を持つ悪役令嬢は、いつの間にか魔王になっていた！

ドワーフと接触です！

「おい！なんだ！あれは！？」

ドワーフの移住は山の麓にある洞窟にあった。本来は長い年月をかけて自然が作った巨大な鍾乳洞であった。そこに住んでいた魔物を駆逐し、住居を構えたのがドワーフである。鍾乳洞は地下へと続いていて涼しくなっていた。そして地下水が流れており清流としてとても澄んだ水であり、飲み水以外にドワーフの大好きな酒造りに持ってこいでもあった。

洞窟の入口には石を積んで作られた堅牢な砦が作られ、大型の魔獣や魔物が入って来れないようになっていた。そこに空から降りてくるワイバーンがやってきた。

守備兵のドワーフ達は自慢の武器を手に構えた。

「あれはこの辺りを荒らしている狂暴なワイバーンの亜種だ！気を付けろ！」

隊長クラスの指示で展開するドワーフに声を掛ける者がいた！

「お騒がせして申し訳ありません。今度、大樹海の領主に任命された者です！挨拶に来ました～」

ドワーフ達は唖然として見守った。ドサッとAランクの魔物みたいなホーンバッファローを降ろすとドワーフ達に言った。

「お土産です。どうぞお受取り下さい。まだ解体してませんのでそちらでお願い致します」

ワイバーンの背から降りてきたのは細身の女性であった。荷物を背負った従者も一緒だ。

「あんた……それはAランクの魔物ホーンバッファローじゃないか！？どうしたんだ！」

「どうとは……？ただ狩ってきただけですわ？」

！？

「そのワイバーンは……？」

「この辺りでやんちゃしていたので教育という名の鉄拳制裁をしたところ従順になったペットですわ♪」

「「「ワイバーンがペット！！！？」」」

ここにいたドワーフ達は驚愕した。

「さて、そろそろ中に入れて下さらない？詳しい話しを族長？さんとしたいので」

「えっ……ああ、許可を貰ってくるので少し待って貰えるかな？」

少しびく付いたの感じで尋ねるドワーフにシオンは言った。

「ええ、突然尋ねてきたのはこちらですので構いません。待たせて頂きますわ」

そういうとドワーフの１人は駆け足で洞窟に入っていった。その場で立たせている訳にもいかず砦の一室でお茶を出された。

「お嬢さん、粗茶だが良いかい？」

「ありがとうございます」

ズズッとお茶を飲みながらドワーフの暮らしを尋ねた。聞けばここに流れ着いたドワーフは他の種族と違い、１番充実しているという。好きな酒造りに適した土地に鍛冶に必要な鉱石もすぐ採れる場所などそうそうに無いからだ。

シオンがきた理由も少し話すと難しい顔をされた。まぁ、当然ではある。

「お待たせしたのう！族長のガゼフが通して良いとのことだ。案内しよう！」

「ありがとうございます。では失礼します！」

洞窟に入ると涼しかった。物珍しそうに周囲を見渡しながら進んでいくと大きく開けた場所にでて集落にたどり着いた。

「さて、どう対応しようかしら？」

不敵に口元を吊り上げるシオンだった。