『耳をすませば』 高橋一生だと!?

 地球屋のジジイになりたい。


 最初はいけ好かないやつだと思っていたやつと触れ合って、段々と引かれていく話。

 この構成はオーソドックスながら鉄板で最強だ。

 

 聖司に触発されて作家を目指すシーンは、作っている人には身につまされるのではないだろうか。


 寝食を忘れ、進路のことさえ頭に入らないというのは、クリエイターなら誰もが通る道だろう。それで親や周りと衝突することも。

 未完成品を見られて恥じらうことだってそうだ。 



 構成が、本作の前に公開された『ぽんぽこ』と逆になっているという。


『ぽんぽこ』は、東京の壮大な街が映ってエンディングになる。


 本映画は、東京の街並みが最初に映し出される。

 で、少女がファミマから出てくる場面から物語が始まるのだ。


 これは『高畑勲作品である、ぽんぽこのアンチテーゼである』という説がある。


 以下の切り抜き


【新着】もはや中学生が書けるレベルの●●じゃない。雫が翻訳した主題歌「カントリー・ロード」が日本人に与えた影響が凄すぎた。【ラピュタ/ジブリ/耳をすませば/岡田斗司夫/切り抜き/サイコパスおじさん】


 の中でも、語られている。


『カントリー・ロード』の訳も、原曲は

「すばらしい故郷へ帰るべきだ。オレたちの原点は、そこにあるんだから」

 という作品だ。


 対して、本映画の訳では

「帰りたくても帰れない。故郷を捨てるんだ」

 となっている。


 映画本編の中でも、主人公の雫が「コンクリート・ロード~♪」と歌い、聖司がバカにするが「好きだぜ」というシーンがある。


 これは、「コンクリート・ロードで生きていくしかない」という意味とも取れるらしい。



 個人的には、劇中の

「磨きすぎると、かえって光らなくなる原石もあるんだよ」

 というセリフにゾッとした。

 

 オレも地球屋のジジイになって、鍋焼きうどんをJCとすすりたい。



 人気俳優の高橋一生さんが、聖司役をやっている。


 若い頃だったので、この映画にはあまり興味がなかった。

「青春バルス」と言われ、見るのは避けていた。ダメージがデカすぎると思って。

 金ローでやっているとわかっていても、タイミングを逃すことが多かった。

 結果、こういう大事な情報も見逃してしまう。

「食わず嫌いはあかんね」と思い知らされた。



 2022年10月には、実写映画化もされる。


 ただ、聖司役は松坂桃李さんのよう。


「そこは高橋一生ちゃうんかい!」と、ツッコんでしまった。

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