『ウィリーズ・ワンダーランド』 殺人鬼<ニコラス・ケイジ<ピンボール
パンクした車の修理をする代わりに、主人公は娯楽施設を清掃するよう頼まれる。
しかし、そこは殺人鬼の魂が乗り移った動く人形に支配された施設だった。
主人公は、殺人鬼たちを鎮めるためにイケニエにされたのである。
だが、予想外のことが起きる。
彼のほうが強かったのだ……。
いわゆるクリーチャー対スラッシャーモノ。
主人公を演じるのはニコラス・ケイジ。
彼は本作で、サイコパスを演じている。
クリーチャーに襲われても、ニコラス・ケイジはまったく動じることなく黙々とクリーチャーを壊す。
ピンボールに目が留まると、他の業務もしつつピンボール台だけは他の機材よりも入念に掃除を行う。
で、休憩時間になるとエナドリ片手にピンボールに興じる。
とはいえ、彼は特に善人でもない。
施設破壊を目的に潜入した少年少女たちを、助けようとはしない。
あくまでも、「勝手に動く人形を破壊」するのみだ。
彼はロボットたちを、「ただの不良品」と思っているのであろう。
なので情け容赦なく、淡々と壊す。
自分の怪我にも興味がなく、血のような油の付いた手を洗った後、ガムテープで傷口を塞ぐ。
それどころか、休憩時間だからと少女にナイフ一本持たせて自衛させ、自分はピンボールをはじめてしまうのだ。
人命より、自身のルーティーンを優先する。
これよ。これがサイコパスの姿よ!
ある意味で、クリーチャーよりも恐ろしい。
だが、それよりもピンボールの魔力が凄まじかった。
あの殺人マシーンのような主人公を、簡単に引っ張り込んでしまう。
本作最強の存在は、あのピンボールかもしれない。
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