『SPIRIT』 綾波とジェト・リーとのシンクロ率が400%に

『シン・エヴァ』を見たので感想を……と思ったのだが、この映画の話を無性にしたくなった。


 フォ・ユェンジャアという実在の武術家を描いた作品。


 ユェンジャアは傲慢さ故に対戦相手から恨みを買い、母と娘を喪う。

 失望した主人公はとある村に落ち延び、村人として生活。


 沈んでいた心が、農作業を通じて癒やされていった。

 

 中盤になると、晴れ渡った表情で田んぼの空気を吸い込む。


 国に帰ると、中国人武芸者を圧倒しようと欧米出身の格闘家が押し寄せていた。

 主人公は彼らを圧倒するが、欧米との関係悪化を恐れた中国側の策略で、中村獅童演じる空手家と戦うことに。


 なぜこの映画の話をしたかというと、『シン・エヴァ』の序盤で綾波が第三村の手伝いをしているシーンを見ていて、この映画の内容を思い出したのだ。


 綾波は、トウジやケンスケの計らいで、彼らの住む第三村の農作業を手伝うことになる。


 第三村で田植えや人の子を育てるなどをして、綾波は笑顔やあいさつを学んでいく。


 この時の綾波の笑顔は、「どうやって笑えばいいかわからない」手探り状態の『序』当時よりも、より純粋な笑顔である。

 もっとも、その個体と現在の綾波は別個体だが。


 その様が、

「家族を亡くして絶望したジェット・リーが、人間性を取り戻していく」

 シーンとシンクロ率400%だったのよ。



 ライバル役の中村獅童氏も常識人として描かれ、決してジャパンヘイトな感じはしない。


 カンフー映画としても最高レベルなので、ぜひ見てもらいたい。

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