『ファンタスティポ』 現実がフィクションに追いついた!
国分太一氏が扮するトラジは、突然父からミネラルウォーターの会社を受け継ぐ。
一方、堂本剛氏演じるハイジも、専務として兄を支えるよう命令される。
兄トラジは、仕事自体は難なくこなせる。
が、大人になりきれていなかった。
まだ何者にもなっていないと思い知らされ、ついには発狂する。
自由人になりたい弟ハイジは、父とは確執がある。愛されていないんじゃないかと、心のなかでずっと感じていた。
彼は謎の女性に惹かれていくが、心は空虚なままだ。
終始シュールでサイケデリックな作風で、舞台も『オースティン・パワーズ』のような不思議世界観である。
薮内省吾監督も、元々映画畑というわけではない。
『うたばん』や『金スマ』などの演出が主な活動実績である。
ずっと分かりづらい展開が続くが、根本は家族愛である。
互いが誤解し合って、歯車が噛み合っていない。
父は自叙伝を書こうと引きこもるのだが、1ページも筆が進まない。そのうち、仕事に打ち込みすぎて家族を顧みなかったことが原因だと気づく。
本作は、国分太一氏が会社の経営者という地位につく。
そんな国分太一氏は現在、株式会社TOKIOの取締役副社長という地位についている。
現実がフィクションに追いつくというね。
だから、フィクションは面白い。
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