『ロンドンゾンビ紀行』 死亡フラグも自力でへし折るジジイ

 祖父の利用している老人ホームが閉鎖されることになり、孫たちが銀行強盗を決行する。

 強盗は成功したが、ロンドン中がゾンビで溢れかえっていた。

 

 主人公たちは工場に籠城するが、最も凶暴な仲間に車のキーを奪われた上、そいつはゾンビに噛まれていた。


 一方、祖父のホームもゾンビに囲まれてしまう。

 元軍人の祖父は持ち前の闘志と器用さで乗り切るが、ホームにカンヅメにされる。



 映画好きの中でも、カルト的人気を持つゾンビ作品だ。



「歩行器を使った老人と、鈍足ゾンビとの追いかけっこ」

 が、見所だ。


 庭で寝ていたジジイがゾンビの接近に気づいて、歩行器を使いながら逃げる。


 並の映画なら、とっくに噛まれてもおかしくない場面だ。


 だが、ゾンビも足が遅くて追いつかない。


 ゾンビの怖さを見せてからのコミカルなシーンで、面白いかつスリリングという見事な演出になっている。


 祖父の血の気が多いキャラクター性が炸裂していて、どんな危機に直面しても弱気を見せない。

 戦争経験者ならではのしぶとさを誇り、いかなる死亡フラグも自力でへし折る。


 若者パートは、戦闘力で魅せてくれる。

 ただのゾンビ映画では絶対に死んでいるだろうという場面でも、平然と生き延びる。

 唯一死にかけたシーンが、仲間からの誤射くらいという強者振りだ。

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