『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』 シン・トマト

 トマトが出て殺す!


 主婦が、何者かによって殺害された。

 死体に出血の跡はなく、トマトジュースまみれだった。


 その後、トマトが人を襲う事例が次々と。

 ヘリすら墜落させるほどだ。



 殺虫剤も虫も効果がない。


 狭っ苦しい急ごしらえの会議室で、トマト対策が行われる。

『シン・ゴジラ』かな?


 政府は対策チームを密かに結成しつつ、「トマトが無害だ」というプロパガンダを流す。


 一方マスコミは、トマト事件の騒動が真実なのか、政府の関係者をスパイする。



『世紀の駄作』『Z級映画の代表作』とも言われる駄作中の駄作だ。


 数あるZ級映画の中でも、飛び抜けてヤバい評価を持つ。


 クセの強い役者、アドリブだらけのシナリオ、本当にトマトが転がっているだけ。


 冒頭でヒッチコックの『鳥』を引用しているだけに「ヒッチコックに謝れ」と言いたい作品だ。



 オレもミュージカルが始まった瞬間、視聴を辞めかけた。


 ヘリの墜落シーンに、一番金がかかっている。

 しかも、それは演出ではなく、意図しない墜落事故だという。


 しかし、ここから出世した人も多い。

 続編に出たジョージ・クルーニーや、後にSWで爆破スタッフになった人たちなどだ。


 また、この映画は映画監督などにも多大な影響を与え、『マーズ・アタック』の元ネタにも採用された。


 駄作と言えど、実に貴重な作品なのである。


 この映画自体はヤバいが、駄作と言えど人によっては材料資料として血肉になるのだなと思わされた。

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