『アイデンティティー』 予測は可能。衝撃は不可避

 モーテルで起きる連続殺人に巻き込まれた人々の話。


 主人公は、ワガママな女優のカバンからケータイの充電器を出すように言われて、誤って人をはねてしまう。


 近くのモーテルまで、患者を運ぶ。


 救急病院へ急ぐも、その先にはエンストした車が。

 水たまりで先へ進めないらしい。


 雨のモーテルに閉じ込められた数名の男女。


 電話は通じず、あちこちがぬかるんで道が塞がれている。


 八方塞がりの中、モーテルの客が一人殺害された。

 

 死体には、モーテルのカギが。


 その後も、客たちが次々と殺されていった。

 所持しているカギの番号順に。


 客たちは、護送していた囚人が脱走したのだと思った。


 しかし、その囚人までが手に掛かる。


 いったい、犯人は?


 彼らには奇妙な共通点があった。


 

 ミステリと思えた作品だが、先住民の墓などが出てくるので、ホラーの色まで出てくる。


 よく考えると、この話は最初からおかしい。


 ぬかるんで道がないというのに、ひっきりなしに客が来ているのだ。


 マスターも怪しい。やたらと冷凍庫を気にしている。


 話は段々とオカルトじみていく。


 だが、冒頭を思い出して欲しい。

 

 この映画の冒頭は、とある死刑囚の尋問からスタートしている。


 真相に辿り着いたときに、「ああー」と納得できる。


 ただ、この映画はそれだけではない。


 ラストまで目を離さずに、見て欲しい。

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