『宇宙人ポール』 E.T.はワシが育てた。

 宇宙人マニア、本物の宇宙人と出会う。


 宇宙人マニアのイラストレーター、グレアム・ウィリー(サイモン・ペッグ)とSF小説家のクライヴ・ゴリングス(ニック・フロスト)。

 海外版コミケを満喫した二人は、宇宙人事件の聖地巡礼中の旅で、本物の宇宙人と接触する。


 宇宙人の名はポール。

 宇宙船の不時着で踏み潰してしまった犬の名前から、保護した少女が名付けた。


 ポールは宇宙船の事故で地球人にとっ捕まり、宇宙の情報を提供。 


 ポールの目的は母星へ帰ること。

 協力者の力を借りて、研究所から逃げてきた。

 調査隊が追ってきている。


 一方、調査隊のリーダーは、小説家の漏らした尿から逃亡先を割り出すなど、凄腕である。


 途中何度も見つかりそうになるが、息を止めると隠れられるという能力を持っていたため、ポールは助かった。

 

 あれだ。H×Hのメレオロンだ。『神の不在証明(パーフェクトプラン)』という能力である。さすがに手を繋いだ相手まで消せないが。

 

 キャンカーでひき殺した鳥を、ポールは生き返らせる。

(すぐに踊り食いしてしまったが)

 

 逃げる途中、モーテルで暮らすクリスチャンの女性を成り行きで同乗させる。



 ロマンスも生まれるが、友人は彼に嫉妬していた。


 何もかもノリで受け入れる主人公を、小説家はうらやましがった。

 夢過ぎて、手が出せなかったのだ。

 事実、彼はホンマモンの宇宙人に出くわして気絶した。

 

 おそらく、彼の中では「フィクションだからこそ」楽しかったのかも知れない。

 それがリアルで存在すると分かったとき、彼は白けてしまったのだろう。

 だから噛み付く。ケンカもする。

 しかし、時間が経つにつれて、互いに打ち解け合うようになっていった。

 


 しかし、平和な旅も長くは続かない。

 クリスチャンの父親まで参戦し、事態はより危険度を増していく。

 

 この話が面白いのは、ロードムービーという観点だけではない。

 伏線が見事なのだ。


 誰がヤバイ敵で、誰が味方なのか、すぐには分からない仕組みになっている。

 

 この出来事が起きたせいで、調査隊に居所を知られてしまうなどの展開が見事だ。


 またこの映画はラスボスが意外な人物だ。

「あーたしかに」

 と納得させられてしまう。


「アンタにとって宇宙人は敵だよね!」

 と思わずにはいられない。


 とにかく、宇宙人の敵と言えば「彼女」しかいないだろう。


 本作で使われている人物相関トリックは、綿密なプロットが必要だ。

 

 

 ポールは『E.T.』の原案まで担当していた、という設定がある。

 だが、電話相手のスピルバーグには敬語。


 それもそのはず。

 なんと、電話の相手はスティーヴン・スピルバーグ本人!

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