いつも通り
勝利だギューちゃん
第1話
水族館の水槽の中。
2匹のチンアナゴが顔を出した。
11月11日は、チンアナゴの日。
彼らの体が、数字の1に見える事から、この日になった。
「今日は、俺たちの日だって」
『俺たち?』
「チンアナゴの日」
『誰が決めた?』
「人間しかいないだろう?」
『いつ?』
「知らん」
チンアナゴの日と言っても、当の彼らには全く関係ない。
ただ・・・
「人間が、便乗商売をしているらしい」
『便乗?』
「何か、売っているらしい」
『俺達には、いくらか入るの?』
「人間のお金もらっても、嬉しいか?」
『もらっても、困る。餌をくれ』
人間も生きていく上で、いろいろ大変だ。
そのためには、利用するものは、なんでも利用する。
「あと、ポッキーの日でもあるらしい」
『何だ?それ』
「人間が発明した、お菓子」
『上手いか?』
「まずかった」
食ったことあるのか?
まあいいや。
彼らは普段通りに過ごす。
「まあ、ここにいれば、食うに困らないし、身の安全も保障される」
『見られっぱなして、ストレスたまるけどな」
「そういう時は、地中に隠れよう」
『そういう意味では、他の魚たちよりも、幸せだな」
「確かに」
いつも通りの、生活。
それが、何よりの幸せだ。
いつも通り 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます