第47話 夜を2人、互いに知る
またまた作者登場!
失礼しますm(_ _)m
今日は少し短めにさせてください。本当に申し訳ありません。理由としては、一応明日で本編は完結させようと思っているため、明日の最終話に力を入れたいからです。
ちなみに、明日で本編は終わる予定ですが、アフターストーリーや何かしらの記念日などでSSを書く予定です。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「まだ、いないみたいだな」
キョロキョロと周りを確認してみる。悠羽や悠翔はおそらく先に来ていると思っていたが、俺達のほうが早かったわけか。
俺たちは15分近く歩き回り、なんとか公園を見つけ出すことが出来ていた。が、水瀬義兄妹の姿はななかった。
「いない、ようですね。とりあえず、ベンチにでも座って待ちますか」
「まっ、そうだな。もうすぐ花火が始まるし、早めに来てくれるといいんだが」
「ですよね……」
それよりかは二人で見るほうが断然良い、だなんて思ってしまうことは、いけないのだろうか。
そんなどうしようもない気持ちを胸に抱えながら、二人は互いに花火がきちんと見れそうな位置に置いてあるベンチにつく。
「「…………。」」
互いに沈黙が続く。
気まずい……。
それに、この公園には何人か人がいるのだが、その人たちはみんなカップルばかり。花宮だって、気まずくないはずがない。
「……なぁ、あのさ」
気まずい状況を打開しようと声をかける。
「はい、なんでしょう?」
「花宮……ってさ、中学校の頃とかどんな感じだったんだ?」
……話題を、何も決めてなかったことが原因となってだろう。頭に思い浮かんだことをそのまま花宮に喋ってしまった。
「……っ、それは……その……」
花宮はあたふたとしていて、吃っている。
「いや、やっぱ……」
「先輩と出会う前は、ずっと同じような感じだったと思います」
やはりやめよう、と話題を変えようとしたとき、花宮がそう言葉を放った。
『先輩と出会う前は』というフレーズに、思わず耳を傾ける。
「中学生の頃や高1の頃は、素の私は隠して、誰も傷付けないようにと最適な解答を探して、嘘まみれだったように感じます」
「…………っ」
「だからなんですかね、自分の言葉のどれが本当で、どれが建前なのか分からなくなってきていた時があったんです」
天使と謳われてきて、学校でも多くの人から慕われてきていて。ずるいだけの人生と思っていたけど、俺には陰キャなりの悩みがあるように、花宮にも花宮の悩みがあるらしい。
俺は……なんでこんな子を嫌っていたんだ?
「けど、先輩と出会って変わることができたと感じています。確かに、先輩の第一印象は最悪でした。けど、今思えば……あの時先輩に立場とか気にせず話せたおかげで、こうして笑顔でいられるんだと思います」
「俺は、何もしていない……」
「先輩がそう考えていたとしても、私は先輩に感謝しています。本当に、ありがとうございますっ」
ニコッと俺に向けて放たれた笑顔。それは、これから始まる花火なんてどうでも良くなるくらいに美しかった。
『大変ながらくお待たせいたしました。まもなく花火大会を開始いたします』
なんて考えていると、遠くの屋台の方から雑音混じりのアナウンスが聞こえてきた。もうすぐで花火が始まるらしい。
「……悠翔先輩や悠羽ちゃん、結局来なかったですね。動くわけにも行きませんし、ここで先に花火を見ていましょっか」
「……だな、それがいい」
花宮の話を聞いて、改めて分かった。
俺は……やっぱり、花宮のことが好きなんだ。
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