第14話 大荒れシーフード
私とMは伊豆大島行のフェリーに乗った。到着は12時を予定している。
最前列……とは言っても、船の内部なので前も後ろも関係ないのだけど、早めに乗り込んで最前列右側に座った。客席から見て左右に窓があり、海が見える。
ふとシーフードヌードルのにおいがしてきた。
Mが「海だからシーフードヌードルのにおいがするの?」とバカなことをきいてきた。そんなわけないだろ、とMと2人で振り返ると、すぐ後ろの席でシーフードヌードルを食べている青年と目が合った。すまぬすまぬと顔を前に戻した。
やがて出航。1時間ほどで波が高くなった。アナウンスによると大しけとのことである。天気は悪くないが、風が強いのか、すさまじく揺れる。振り返るとシーフードヌードルのお兄さんを含め、全乗客がダウンしていた。この時の写真が残っているのだが、みんなのダウンっぷりが破滅的ないい味を出している。
シーフードヌードルのゲロを吐かないでくれよ、と祈りながら私もダウンした。吐き気はもとより、理由はわからないが指先の末端がはげしく痺れていた。
気絶していると、いつの間にか揺れは収まっていて、伊豆大島に到着していた。ひどいスタートだ。今回もいやな予感がする。
わけもわからず歩いたはなし たかあり @hatarakitakunaidegozaru
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