　うおおおおおおっ。今日はやっと客が来た。

　おひとり様っていうか、一匹様だったけど。

　どうやら俺が昨日やった一人バーベキューの肉の匂いが空高く届いていたらしくて、空を飛んでいたハーピー族が俺の店に気づいてくれたんだと！！

　最初のお客さんだったし、しっかり日誌を書くぜ。

　ハーピー族は人型だけど、大きな翼をもつ鳥人の魔族で、性格は穏やかだ。

　また種族柄『女性』しかおらず、体が羽毛に包まれているため体温調整が効くようで、服も着用しない文化があり、彼女も裸だったのでドキドキした。　

　両腕両脚は鳥そのものなんだけど、体の基本の作りは人間と変わらないし……目のやり場に困った困った。

　あと、最初はウチを肉屋と間違えていたみたいで、お肉はどんな種類がありますかって聞かれたのもちょっと困った。

　名前はウアさんというらしい。

　うちが雑貨屋さんだって説明しても、そうなのかー、ってとぼけた感じだった。

　彼女は商品棚を眺めながらオススメを聞いてきて、直ぐに答えは浮かんだよ。

　これから寒くなるし、あたたかいコートはいかがですかーって。いくら羽毛で体温調節が出来るとはいえ、裸というのは……さすがにね。

　そんでもって彼女に商品を紹介したら、喜んで買ってくれました（ハーピーの生態は知らなかったけど、腕の羽根部分にはポケットのような隙間があって、そこから銀貨を取り出してた。銀貨はちょっと甘い匂いがした）。

　まあ、そんなこんなだけど初めてのお客様だったし、初めての売り上げがあって本当に嬉しい！！！

　だけどちょっと気になることが一つ。

　買ってくれたコートって、鳥獣コカトリスの鳥毛皮だったんだけど……。

　同じ鳥同士（ウアさんは人型の"鳥人族"だけど）でも、よかったのだろうか。

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