2021年3月の28句
星見上げ小人につまずく夜道かな
幸福の長い毛が耳朶からも生えていたがこっちは抜こう
笑わずに済ませられる葬式を知らない
大袈裟な言い回しを聞いたときこっそりエンガチョしてる
ただの綺麗事に万を越えるいいねつき 生きた気しない二月第一週
あの人がカツラにしたことに触れるかどうか一日悩む職場は愉快だ
称賛の言葉を銀座のギャラリーで待つ
出そうで出なかったくしゃみを夢の中で消化する どんな夢だよ
上履きにソースをたらすいじめを思いついた子と昔を懐かしむチョコフラペチーノ
伝わりやすい悲しみでよかったねと肩を叩いて励ましていく
同僚の死を業務報告のように聞き流す
まるで○○みたいだねの○○は各自で入れてく現代人だ
最悪を日々更新して生きていく
ギャグを説明させられたのでもう帰る
隣の棟のおっさんの奥さん殴るの猫蹴るのを共用部からぼんやり眺め
頭から揖保乃糸が生えてるみたいだねとキミが言ったから四月六日は白髪記念日
コロナ禍で潰れた店を正の字で数えていく今日この頃なんですけれども
用意されてた台詞と感じる別れ際
泣き止まぬなら教えてやろう お前の悲劇はおれには喜劇
ペドフェリアに狙われし童顔の三十路処女 タランティーノ風に死す
悪い親は死んでも悪い
嘘には色がついてるが真っ赤な嘘だけはマジで見たことない
誰も彼もがやがて死ぬと気づいた夜に それを口実に元カノに会いに行く
ゾンヒとなりし父を閉じ込めた犬小屋に花を手向ける
新生児を雇い入れた史上初の企業で今日も私らしく働く
待ってたところまで電車が来ない朝を無限ループ 何それどういうこと
サンダルを許可しない職場をやめてやろうか
約束をキャンセルされると嬉しくなるとは言えなくて夏
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