(二)-9
ティムは歩き出した。転送してもらった地図をスマートフォンに表示させて、歩いていった。駅前の飲食店が建ち並ぶ繁華街の通りだった。酔っ払った人や会社帰りのサラリーマンなどが多く通行していた。
地図でマークされていたのは、その繁華街の通りから一本路地に入ったところだった。ティムは路地に入っていった。
店のダクトからの排煙などでむせそうになりながら細い道を奥に進んでいった。するとティムはモハメドを見つけた。二つの雑居ビルの間だった。ビルの壁を背にして両足を地面に伸ばして座るようにしていた。上体が前に倒れており、初めはホームレスにも見えたが、おでこを押して顔を確認したらモハメドだった。こめかみに一発銃弾を受けており、すでに息をしていなかった。
(続く)
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