(一)-5

 基地に戻ると情報分析官のフリッツ・エルガーに分析を依頼した。若い彼は大喜びで作業に取りかかった。もちろん依頼するときに、自分の楽しみのためではなく情報を取り出すことが目的だと釘を刺した。さらには情報提供者の命の危険があるかもしれないのでなるべく急げとも。いつもダルそうに仕事していてやや頼りなかったフリッツは、ニヤニヤしながら「任せて下さい」と眼鏡の奥から鋭い眼光を投げた。念のため、もう一人、補佐役を付けて二人で手分けして作業させることにした。


(続く)

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