第56話妖精さん?
僕達とにぃに達がシューお兄さんのお顔の方を、首を伸ばして見るけど、声しか聞こえなくて。そんな事してたら、シューお兄さんが伏せしてくれて、最初にラッセルにぃにが下りて、次にダレルにぃにが。それからウルちゃん達が下りて。最後にラッセルにぃにが僕の事抱っこして下ろしてくれました。でも。
「とっ、とっ、とっ」
お兄ちゃんと一緒に転んじゃって。
「ごめん。エリアス大丈夫か?」
「だいじょぶ!! おろしてくれてありがと!」
『危ないぞ、気を付けろ』
シューお兄さんがそう言ってきました。あれ? さっきの変なお話の仕方直ってる? そう思ってシューお兄さんのお顔の方を見たら、シューお兄さんのお顔の隣、小さな蝶々さんみたいな物のが飛んでました。
『エリアス、お前が聞いていた声はこいつの声だ』
よく見たら、僕のお手々くらいの小さな男の子でした。キラキラの黒い羽で飛んでるんだよ。僕絵本で見た事ある。妖精さんだね。そう思ってたらダレルにぃにが、妖精だって言いました。
そしたら妖精さんが僕達の前まで飛んできて、ボシュッてダレルにぃにのお顔にぶつかってきたの。にぃにが痛いってお顔押さえたら、妖精さんが怒って来ました。
『ちょっと! 僕は妖精じゃないよ。もっと上の存在!! まったくもう!』
ん? 妖精さんじゃないの? だって、小さくてお羽があって。僕の絵本の妖精さんととってもそっくりなのに。そう言ったらウルちゃん達も違うよって。ラッセルお兄ちゃん達は僕達が言ってる事聞いて変な顔してます。
『おい、そいつらに話しても、言葉が分かるのはそっちの小さいやつらだけだ。そっちの兄貴たちはお前の言葉は分からん』
『え? そうなの? そう言えば今まで僕が会った人間。誰も僕の言葉分かんなかったっけ? ずっと昔に話した事があるような? まぁ、いいか。でもそれじゃあ何でそっちの小さい人間は僕の言葉が分かるの?』
そっか、僕は妖精さん、じゃなくて、誰だか分かんないけど言葉が分かってお話したけど、にぃに達は言葉が分からなくて、僕達がお話してたから、変な顔してたんだね。
「えと、ぼくはエリアス・アルフォートです! 3歳です!」
僕が自分のお名前言ったら、順番にウルちゃん達がご挨拶して、それからにぃに達もお話できないけど、ご挨拶しました。
「俺の名前はラッセル・アルフォートだ」
「僕の名前はダレル・アルフォートです。えと、妖精じゃないんだね。間違えちゃってごめんなさい」
みんなの挨拶終わって、にぃにがごめんなさいします。
『まぁ仕方ないか。僕に会える人間なんてそんなに居ないからね。今回は許してあげるよ。僕は妖精じゃない。大地の精霊だよ。精霊、分かった?』
僕は妖精さんがお話してることをにぃににお話します。それで大地の精霊さんって言ったら、にぃに達とっても驚いてました。本当に本物?とか、精霊って本当に居るんだなとか。
ラッセルにぃにが精霊さんのこと教えてくれました。精霊さんはとっても珍しくて、とう様もかあ様も、みんなも見た事がないの。それでじぃじ達も見たことがなくて、ずっとずっと、誰も見たことがなかったんだって。
でもさっき精霊さん、会える人そんなに居ないって言ってたよ。僕がそう言ったら、にぃに達が精霊さんを見ます。
『ああ、僕が人の前に出て来たの久しぶりだから。何百年? 忘れちゃったけど、今生きてる人間は僕のこと見た事ないよ。それから僕は大地の精霊だけど名前があるからね、それで呼んでね。僕の名前はアスールだよ。良い?』
大地の精霊さんのお名前はアスールだって。アスールが前に人にあったのは何百年前? それってどれくらい前なのかな?
『まぁ、とりあえず今は、そんな話してる場合じゃない。色々終わったら、エリアス達とゆっくりおはなしするよ。それで話なんだけど』
アスールがシューお兄さんとお話始めました。
アスールはちょっと遠くの森から、今お城に来てる悪い魔獣さん達に、ここまで連れてこられちゃったんだって。闇の魔法に捕まってて逃げられなかったの。でも何でか分かんなにけど、その悪い魔法から逃げることが出来て。
そしたらアスールはドラゴンおじさんとシューお兄さんが、ここに居るって気づきました。それでお話することがあって、急いでドラゴンおじさんの所に行こうと思ったんだけど、今おじさんは戦ってるでしょう。だから邪魔はダメ。だからお城から飛ばされちゃったけど、周りに魔獣が居ない、僕達の所に急いで来たんだって。
でも急いで来たから、さっき僕達の横を通り過ぎちゃったみたい。それでシューお兄さんが急いで戻ってアスールを止めに行って、お兄さんはお口でアスールを咥えて止めました。だからさっき変なお話の仕方だったんだね。
『で、俺に用って言うのは?』
『今回あいつらが暴れだした原因を破壊してほしいんだよ!!』
『原因? どういう事だ? 詳しく話せ。が、城に戻りながらの方が良いな。良し皆もう1度俺に乗れ』
シューお兄さんにそう言われて、僕達はもう1度シューお兄さんに乗ります。シューお兄さんの頭の上にはアスールが。みんなが乗ったのを確認して、シューお兄さんが走り始めました。
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