第47話お兄さんから変身!

 どんどん光りに包まれていくお兄さん。お部屋の中がとっても明るくなりました。ムウちゃんがお目々を押さえて、ムウちゃんの後ろにぷるちゃんとウルちゃんが隠れます。僕も一緒に隠れたよ。フラキーはお兄ちゃんの後ろに隠れました。


 やっと明るいのがなくなってきて、僕達はムウちゃんの後ろからでました。まだ明るいけど、お目々瞑らなくても大丈夫です。いつまでお兄さん光ってるのかな? それに何で光ってるんだろうね。


 ちょっと待って今度は、光りがま~るい光りになりました。


「そろそろだぞ。何しろ先程、初めてやったからな。まだ時間がかかるんだ。だが、後お数回やれば早く出来るようになるだろう」


 ドラゴンおじさんがそう言ったら、パリンって光りの玉が割れました。それで割れたときに、またピカッて光ったんだ。僕達慌ててまたムウちゃんの後ろに隠れて、お目々瞑りました。

 すぐにドラゴンおじさんがもう大丈夫だぞって、そっとムウちゃんの後ろからお顔をだします。そしたらフラキーが大きなお声で叫びました。


『あ~、どうしてここにいるの!?』


 お兄さんのいた所に、お兄さんはいなくて、大きなお馬さんが居ました。お兄さんどこ行っちゃったのかな? 

 

 お馬さんは、僕達が乗る場所を運んでくれたり、荷物をいっぱい運んでくれるお馬さんじゃないの。えっと、頭に白色のちょっとギザギザの角が2本ついてて、それからおしっぽがフワッじゃなくて、ひらひらひら~って。あと、お目々が真ん丸で、とっても可愛いお顔してます。お体は氷色でちょっとキラキラしてるよ。あのねぇ、かあ様がパーティーの時に着る、とっても綺麗なお洋服みたいにキラキラ。


『僕、知ってるよ。僕達が飛んで逃げてた時、僕達の下、とっても速く、ひゅ~んって走ってたんだ。名前知らないけど。それに何で人に変身できるの!?』


 フラキーがお馬さんの周りをグルグル。それから僕の所に戻って来て、僕も変身できるかなって言いました。


『フラキー、変身できるのはとっても力があるか、私のように力があって歳をとっている者達だ。今のお前では変身はできないぞ』


『ちぇ~、つまんないのぉ』


 とう様が僕達の所に来て、お馬さんのこと教えてくれます。


 お馬さんはお馬さんじゃなくて、シューリーっていうお馬さんに似てる魔獣さんでした。とっても速く走って、それから魔法もできるの。えっとねぇ、こおりの魔法だって。

 それからシューリーはドラゴンおじさんのお友達です。僕とぷるちゃん達もお友達。でも僕達はお友達になってから少しだけお友達。ドラゴンおじさんはず~とたくさんお友達。

ムウちゃんとお友達になって、ドラゴンおじさんがお家に来てからずっと会わなくて、久しぶりに会ったお友達なんだって。


『エリアス、それにお前達も、これからこの者はずっとお前達と一緒に居るぞ』


 これから、もう少ししたらドラゴンおじさんは、とっても忙しくなっちゃうんだって。今までも忙しかったけど、もっともっと忙しくなるの。とう様達も忙しくなっちゃうんだって。


『城の周りに、街や城の皆に、悪い事をする魔獣達が居るのは分かるな』


「うん!」


『我や外の魔獣、お前達の父親も、その悪い魔獣達がこれ以上街に入って来ないように、もう少ししたら、悪い魔獣達をやっつけに行くのだ』


「やっつける!!」


 僕やぷるちゃん達みんなで戦うマネします。


『そうだ。その間、この男がお前達を守ってくれる』


ドラゴンおじさんは結界を張ってくれて、悪い魔獣さん達をやっつけに行くの。でももしかしたら、ドラゴンおじさんがやっつけてるときに、結界を壊して魔獣達が入って来ちゃうかもしれないんだって。

 だからその時に、シューリーが僕達のこと守ってくれるんだって。


『初めましてだな。オレの名前は…そうだな、シューと呼んでくれ』


「さぁ、みんなご挨拶だ」


 とう様がご挨拶って言って、僕達は順番にご挨拶します。にぃに達が最初にご挨拶して最後が僕。


「えと、エリアスです!」


『うむ、みんな元気が良いな! 魔獣も人間の子供も、元気が良いのが1番だ! ガハハハハハハ!』


 う~ん。僕考えちゃいます。なんか変な感じです。僕が考えてたら、シューお兄さんがどうかしたかって。とう様のかあ様もみんなが僕のこと見ます。

 

 キラキラで綺麗なシューお兄さん。母様はシューお兄さんみたいなキラキラのお洋服着たとき、いつも静かにお話するの。その時かあ様のお友達もいて、かあ様のお友達も、静かにお話するんだ。シューお兄さんは同じキラキラなのに、大きなお声でお話。う~ん、何か変。


 僕がそう言ったら、かあ様がそれはかあ様達だからだって。キラキラは関係ないって言いました。


『ほらみろ、お前の話し方は、お前のその色に合わんのだ』


『良いじゃね~か。これがオレなんだからな。さて、人間の姿になるか。少しでも慣れておかないとな』


 シューお兄さんがそう言って、またシューお兄さんのお体が光り始めました。急いでムウちゃんの後ろに隠れる僕達。またお部屋の中が眩しくなりました。

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