第46話パンケーキと知らないお兄さん
「とうさま!! かあさま!!」
やっととう様達がお部屋に戻って来ました。ずっとバラバラだったけど、今はとう様もかあ様も、ドラゴンおじさんもライオネルも、み~んな一緒に戻って来ました。僕もお兄ちゃん達もみんな嬉しくて、とう様達に抱き付きます。
「良い子にしてたか? イタズラしなかっただろうな」
「あのね、あのね、にぃにと、ぼうけんしゃしたの!」
「冒険者ごっこか。良かったなエリアス。お前達もエリアスの事ちゃんと面倒見てくれて偉いぞ」
「そんな良い子のあなた達に、良い物貰ってきてあげたのよ」
かあ様がそう言って、僕達にお椅子に座ってって言いました。良い物!! 急いでお椅子の所にいって座ります。お椅子に上って、よいしょ、よいしょ。とう様がお椅子に上れない僕のことを、抱っこして座らせてくれたよ。
僕達がお椅子に座ってる間に、ライオネルとシェーラがお部屋から出て行っちゃいました。でもすぐに戻って来て、テーブルに蓋が乗せてあるお皿と、ジュースを置いていきます。ジュースは木の実のジュースだって。
僕は足をブラブラ。それから蓋を横から見たり、ちょっと体を伸ばして上から見てみたり。何が入ってるのかな? ぷるちゃん達もお皿の周りをグルグル歩いちゃってます。最初はお座りしてたんだよ。
「かあさま、まだぁ?」
「待ってね。母様たちの分も用意が終わるまで」
なかなか蓋を開けられません。早く、早く開けたい!! 僕はもっと足をバタバタです。そしたらとう様に、静かにしなさいって怒られちゃいました。
やっととう様達の準備も終わって、みんながお椅子に座ります。
「それじゃあ良いか。みんな蓋を開けて良いぞ。エリアスはとう様と一緒に開けよう」
みんなが蓋を開けて、僕もとう様と一緒に蓋を持って持ち上げます。出て来た物は。
「ふわぁ!! ドラゴンさんと、くまさん!!」
『プユユユユン!!』
『本当だ! ぷるちゃんのはぷるちゃんの形だね。僕のも僕の形!』
『ギャウウウ!!』
『ムウちゃんもドラゴンで一緒だね!』
『ボクのはボクと一緒。トリ!!』
「わぁ、僕のはシマリス!」
「俺のはワイバーンだ!」
みんなのお皿の上にはパンケーキが乗ってました。でも形はバラバラ。僕はドラゴンさんとくまさん。ぷるちゃんとウルちゃん、それからムウちゃんとフラキーは自分の形のパンケーキで、にぃに達のは魔獣さんの形してるパンケーキなの。とっても可愛いです。
「ギムルが作ってくれたのよ。今度会えた時に、きちんとお礼言いましょうね」
「「「は~い!!」」」
みんなもぐもぐ。すぐに食べ始めます。僕はちょっとずつ、ちょっとずつ、周りから食べていきます。だってなんかなくなるの嫌なの。でも食べたいし。でも僕が少しずつ食べてる間に、ぷるちゃん達すぐに食べ終わっちゃって、僕のパンケーキをじぃ~って見てきます。
僕は慌ててお口にどんどんパンケーキを入れて。ダメだよ。これは僕のパンケーキだからね。みんなは自分の食べたでしょう。僕のはあげないよ。
僕のお皿にパンケーキがなくなって、みんな自分のお席に戻って行って、木の実のジュースを飲み始めます。僕も急いで食べたから、まだジュース飲んでません。パンケーキは急いで食べちゃったから、ジュースはゆっくり飲もう。
僕達がジュース飲んでたら、にぃに達もとう様達も食べ終わって、みんなでお茶とジュースをおかわり。新しくシェーラが持ってきてくれたジュースを飲んでたら、とう様とヱン様が僕達にお話があるって言いました。
「みんな、みんなに紹介したい人がいるんだ」
ジュース飲み終わったらお話するから、遊ばないで座ってなさいって。お話なにかな? 僕達お家に帰るお話かな? ずっとお城にお泊りしてるもんね。でも、お外には悪い魔獣さん達がいるんでしょう? う~ん。
みんなが飲み終わって、とう様とドラゴンおじさんがお部屋から出て行きます。でもすぐに戻って来て、でも戻って来たのは、とう様とドラゴンおじさんだけじゃありませんでした。
ドラゴンおじさんとおんなじくらいで、髪の毛がちょっと長くて、色はお空の色で、とう様がお城でお仕事してるときに着てる、カッコいいお洋服に似てる、お洋服もお空色のお洋服着てて、とっても優しい、ニッコリのお兄さんがお部屋に入って来ました。
「こんにちは」
「さぁ、きちんとご挨拶して」
「「「こんにちは!!」」」
僕達がこんにちはって言ったら、フラキーがあっ!!って言いました。フラキーご挨拶だよ。
『どうしてここに居るの?』
あれ? フラキー、お兄さんのこと知ってるみたい。近づいて行ってお兄さんの周りをグルグル。
「やっぱり間違いない! 何で人間に変身してるの?」
変身? ん?
「フラキー、話をするから戻れ」
ドラゴンおじさんに言われて、フラキーが僕の所に戻って来ます。それからまたみんながお椅子に座って、ドラゴンおじさんがお話始めました。
「この男は人間ではない。我々と同じ魔獣だ。が、違うのは我と同じように、人間に変身できるところだな。それに我には及ばないが、力もそれなりにある」
ドラゴンおじさんがお兄さんに頷いて、お兄さんが僕達から少し離れました。それでお体がキラキラ光り始めました。
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