第38話お約束、それからドラゴンおじさん行ってらっしゃい!

「おじさん、おはなしと、おでかけぇ~?」


「ああ、そうだ。話し合いと、それからすぐ戻ってく来るが、良いか皆仲良く遊んでいるのだぞ。母の言う事を良く聞くのだ。それから我と1つ約束をするぞ。守れたら、後で良いものをやろう」


「良いもの?」


『ぷゆゆゆん?』


『何かなぁ?』 


『ガウガア?』


『うん、楽しい物か、美味しいものが良いね!』


 ドラゴンおじさんはとっても大忙し。さっきまでも忙しかったけど、これからもまだまだ忙しいの。


 ます、これからお話し合い。さっきたくさんお空を飛ぶ魔獣さん達が、たくさん飛んで来たでしょう。今度は飛べない魔獣さん達がいっぱいこの街に来るんだって。その魔獣さん達とお話し合いなんだって。それでもしかしたら、飛べる魔獣さん達みたいに、お城に来るかもしれないの。

 もしお城に入れなかったら、おじさんが街のお隣りに結界を張ってくれて、その結界の方に行くんだって。


 それでそのお話し合いが終わったら、次はどこかにお出かけなんだって。でもすぐに帰って来るって言いました。

 そんなに遠い所に行かないし、おじさんはドラゴンおじさんで、ビュッ!! って飛んで行っちゃうから、すぐに帰って来れるみたいです。おじさんとっても大きくてとっても強いドラゴンだもんね。


 それでおじさんとお約束。おじさんの居ないときに、お外に出て魔獣さんと遊ばない事。もうたくさんの魔獣さんが居るでしょう。これからもっと増えて、僕達と遊びたいって、一緒に居たいって、フラワーバードさんみたいに僕達のお側に来る魔獣さんが居るかもって。


 でも、今はみんなとっても忙しくて、僕達だけで遊びに行っちゃうと、みんなのお邪魔になっちゃうから、おじさんが帰って来て、おじさんが良いよって言うまで、お外には出ない事。

 

 それから、お城まで来た魔獣さん達は、今悪い魔獣さんに追いかけられて、ここに逃げてきたんだって。おじさんの居ないときに、僕達がお外で魔獣さん達と遊んでたら、もし悪い魔獣さん達が来たら、みんなお怪我しちゃうかもしれないの。

 だからおじさんが帰って来るまで、お外に出ちゃダメなんだ。


「わるいまじゅうさん、こわいねぇ」


『プユユユン』


『うん、お怪我やだもんね』


『ガウガウガ』


『ムーちゃん、まだ魔法上手にできないもんね。僕もできないもん』


「だから外に出てはいかんのだ。良いな。この部屋で大人しくしているのだぞ」


 ドラゴンおじさんが窓から出て行こうとします。かあ様がおじさんにお願いしますって。かあ様とっても心配そうなお顔してるの。大丈夫だよかあ様、かあ様は僕がお守りするもん! 

 とう様がいつもにぃにと僕に言ってたもんね。とう様が居ないときはかあ様のことは僕達が守るんだぞって。今とう様は居ないから、僕とにぃにがかあ様のことお守りするよ!


「ここを頼むぞ」


「はい」


 ぴょんって窓からお外に出るドラゴンおじさん。僕達はすぐに窓に駆け寄ります。ラッセルお兄ちゃんが、僕を抱っこしてくれて、ムーちゃんの頭の上にぷるちゃんとウルちゃんが乗っかります。ムーちゃんは、すれすれでお窓からお外見えるの。背伸びしてお目々だけ窓の下の所から出てます。


 僕達が窓に近づいたら、お外がパアァァァって明るくなって、ブワァァァッ!! 大きな大きなドラゴンおじさんが、お空に向って飛んでいきます。


『ガウガァッ!!』


『うん、早く帰ってきてね!』


『ぷゆゆん!!』


『行ってらっしゃいって!』


「ぼくも! いってらっしゃ!!」


 みんなで行ってらっしゃいとバイバイしたら、ドラゴンおじさんが止まって、少しだけ僕達のこと見たあと、バサアァァァ!! 街の壁の入口の方に飛んで行きました。


「さぁ、窓を閉めて、静かにお部屋の中で遊んでましょうね」


 シェーラが窓を閉めます。僕達は僕達が床で遊べるように敷いてある、カーペットの方に行きます。僕達が座ったら、かあ様とシェーラはテーブルの方に行って、2人でお話始めました。

 僕はおもちゃ箱の中をゴソゴソ。フラワーバードさんがなぁにって。


「このはこのなかに、たくさんおもちゃはいってるの!」


『おもちゃ?』


『遊ぶものだよ!』


『僕はいつも木の実を小さい葉っぱにぶつけたり、木に穴開けて模様描いたりしてたよ』


 僕お話聞きながらハッてしました。フラワーバードさん、いつもフラワーバードさんって呼んでたら、何かちょっと大変。フラワーバードさんにお名前考えても良いか聞いてみよう!!


「あのぉ、フラワーバードさん、おなまえながいのたいへん。だから、フラワーバードさんじゃなくて、ぷるちゃんとかウルちゃんとか、ムーちゃんみたいに、おなまえいいですか?」


「あれ? お兄ちゃん、お名前つけて良い?」


「う~ん。確かとう様ダメって言ってた。でも仲良くなったら良いって。魔法使わないで名前考えるのは良かったはず」


「なら大丈夫。エリアスまだ魔法使えないもんね」


 僕がお名前の事言ったら、フラワーバードさん考えるからちょっと待ってって。もしフラワーバードさんが良いよって言ったら、みんなで一緒に考えよう!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る