第22話全部お花畑になりました

『みんな行くよ!』


『『『おう!!』』』


 ドラゴンさん達がみんな、ガウガウ何か言ってます。そしたら1匹のドラゴンさんがポワッて光り始めました。そのあとどんどん他のドラゴンさん達も光り始めます。ドラゴンさん達光っててカッコいい! 


 僕達の側にいるドラゴンさん達が全員光ったら、今度は地面が光り始めました。お花の咲いてた所全部、う~ん、それだけじゃなくてとうさま達の周りも、王様じぃじの周りも、ドラゴンおじさん達の周りも全部です。


「なにしてるのかなぁ?」


『地面に魔力流してるみたい』


 お父さんの近くにいたルーファスが僕達の所に走って来て、僕達が動いちゃうとお邪魔になっちゃうから動くなって。だから僕達はみんなで集まって、ぴたっです。

 どんどんドラゴンさん達が強く光って、地面もどんどん光ります。

 

 そしたら僕のお隣にある、さっきお花を取っちゃった茎の上に丸い白い光りができて、その光がなくなったら、またお花が咲いてました。

 そのお花が咲いたら、その周りの茎にもポンポンポンってお花が咲き始めました。

 茎ばっかりじゃなくて、新しい茎も生えてきて、それにもお花が咲いていきます。


 少ししてドラゴンさんも地面もお花も、全部光が消えました。


「ふわわ! すごいねぇ」


『ぷゆゆゆん!』


『お花が元に戻っちゃった!』


『ギャウギャ!』


『うん! さっきよりも多いね!』


 練習場にたくさんお花が咲きました。さっきは僕達がいた所だけだったけど、今は練習場全部にお花が咲いてます。

 

 ドラゴンおじさんが拍手しながら僕達の所に来ました。


『ふむさすがだな。エリアスにムー達、ドラゴン達はお前達のために花を咲かせてくれたのだぞ』


 そっかぁ、じゃあみんなでありがとうしなくちゃ。僕達みんなドラゴンさんの前に並んでありがとうします。

 

 ドラゴンおじさんは僕達の後ろでふらふら。とう様達はビックリのお顔で、王様じぃじも騎士さんもみんなおんなじです。こんなにお花いっぱい、とう様達もお花食べられるよ。


『エリアスは皆で食べたいのか?』

 

 だってみんなで食べた方が楽しいでしょう? 僕はみんなで食べるご飯大好きです。僕がそう言ったらドラゴンおじさんがウンウンってしました。


『そうか。エリアスはそうだったな。どれ、ドラゴン達がこれだけの事をエリアス達にしてくれたのだ。仕上げは我がするとしよう』


 今度はドラゴンおじさんが光り始めます。そしたらルーファスがもう1回動くなって言って、今度はまたとう様達の方に慌てて走って行きます。それでルーファスがお父さんに何かお話して、とう様はビックリなお顔やめて、慌てて王様じぃじに何かお話してます。


 ドラゴンおじさんが光ってすぐ、さっきよりも強く地面が光り始めました。今度は練習場だけじゃなくて、他の所も光ってます。柵のお外とか。

 それからドラゴンおじさんのお手々に光りが集まって、それをおじさんがお空に投げました。


 とっても高く光りの玉が上がって、でも急にピタって止まって、ぱぁ~んっ!! 光りの玉がパチパチ棒みたいにパチパチして、それでパチパチが雨みたいに降ってきます。キラキラでとっても綺麗だよ。


「わぁ! きれいねぇ」


『エリアス見て! キラキラが落ちたとこ、全部お花が咲いてるよ!』


「ふわ!? ぜんぶ!?」


 周りを見たら柵のお外にも、向こうの小屋の所も、僕達が馬車に乗ってきた道の横も、全部お花が咲いてます。お花畑になっちゃったの。

 これドラゴンおじさんさんがやったの? 魔法? すごい凄い! 光らなくなったおじさんの所に行って、みんなで拍手します。近くにいたドラゴンさん達も、おしっぽバタバタ、足をだんだん、お手々を叩いてます。


 僕達が拍手してたら、騎士さんが乗ったお馬さんが走って来ました。騎士さんはお馬さんから降りて、急いでレイトンおじさんの所に走って行きます。その騎士さんが来てから、他にもたくさん騎士さんがお馬さんに乗って来たり、走って来たりして、王様じぃじとレイトンおじさんの周りに集まりました。

 最初の騎士さんも他の人達もとっても慌ててます。どうしたのかな?


「陛下大変です! 急に花が!」


「こちらもです!」


「ああこれは…」


 王様じぃじもレントンおじさんも、みんな困ったお顔してるよ。


 チラッて最初の騎士さんが僕達の方見て、今度はビックリしたお顔に変わって、また慌ててバッてお辞儀しました。それ見て他の人達も騎士さん見て、僕達の方見て、それからビックリしてお辞儀したの。

 慌ててビックリしてお辞儀して、みんなとっても忙しいです。どうしたの? 

 

 レントンおじさんが騎士さん達とお話しするって言って、今来た騎士さん達みんな連れて、お城に帰っていっちゃいました。騎士さん達は帰る時も僕達の方見てぺこぺこお辞儀します。変なのぉ。

 

 騎士さん達がいなくなって、かあ様がドラゴンおじさんの所に歩いて来て。僕もぷるちゃん達も急いで逃げる準備です。

 かあ様のお顔、とっても怒ってる時のお顔してます。少しじゃなくてとっても。僕のこと怒ってるの?


「エン様!」


「な、何だ!?」


 良かったぁ。かあ様は僕じゃなくてドラゴンおじさんのこと怒ってるみたい。でも僕達じゃないけど逃げなくちゃ! 


「ドラゴンさん、にげて!」


 近くにいたドラゴンさん達に逃げてって言います。だってドラゴンさん達、かあ様が怒ってる時怖いの知らないもんね。ちゃんと教えてあげなくちゃ。


『ガウガウ?』


『ガウガ?』


『うん! 逃げて! かあ様怒ってるの。エン様のこと怒ってるの』


『ガウガウガ』


『怒ってるととっても怖いんだよ! だから早く逃げて!』


『ぷゆゆゆん!』


『ガウガァ』


『エン様は大丈夫だから、みんなは逃げるの!』


 ウルちゃん達がドラゴンさん達とお話してくれて、ドラゴンさん達が逃げ始めました。ドタドタ走ったり、バッてお空に飛んだり、周りがとっても煩くなって、ドラゴン騎士さん達が慌てて叫んでます。


「おい、どうしたんだ!」


「戻って来い!」


 コステロにぃにのドラゴンさんガルダーが、僕のお洋服咥えて、ぽんって僕のこと投げて、僕はガルダーの背中に乗りました。ぷるちゃん達も背中に乗って、王様じぃじのドラゴンさんは、にぃに達をぽんって投げて背中に乗っけて、かあ様達から離れてくれます。ありがとう!


 ドラゴンさん達は、かあ様とドラゴンおじさんから1番離れた場所に集まりました。それからドラゴン騎士さん達が走って来て、何で急に暴れたんだってドラゴンさん達のこと怒ります。暴れてないよね。みんな逃げただけだもん。

 

 僕がお話しようとしたら、ラッセルにぃにが僕はお話しちゃダメって言いました。僕のお話、みんな分かんないかもしれないからって。何で? 僕ちゃんとお話しできるよ。もう!


 にぃにが騎士さん達にお話してる時、かあ様の大きなお声が聞こえました。


「エン様! 何をなさっているのですか!」


 ドラゴン騎士さん達がかあ様達の方見ます。それからああって言いました。

 それからいつの間にかとう様達もかあ様達の所に行ってて、とう様も怒ったお顔してます。

 コステロにぃにが、みんなで騎士さんのお家に入って待ってようって言いました。ドラゴンさん達も1度お家に帰ります。


 僕本当はすぐにドラゴンさん達と遊びたいけど、かあ様怒ってるもんね。後でかあ様が怒るの終わったら遊んでも良いかなぁ? コステロにぃにに聞いたら、多分遊べるから大丈夫だって。

 ドラゴン騎士さんが5人だけお外に残って、他の騎士さんと僕達、それからドラゴンさん達がお家に入ります。ドラゴンさん、また後でね!


 ドラゴン騎士さん達のお家の中、入ってすぐのところは靴とか手袋とか、いろんな物がごちゃごちゃ。それから泥もいっぱいです。


「シェーラがおこるねぇ」


 シェーラは泥で汚れてるのが1番嫌いです。シェーラは今、かあ様達がたくさん出しちゃったお洋服をお片付けしてます。だから一緒にここに来ませんでした。


 でも玄関は汚かったけど、お部屋の中は綺麗でした。僕達が入ったお部屋は、みんながご飯食べるお部屋です。ここでかあ様達待ちます。


「おう、珍しい客が来たな」


 急にお声がしたからビックリ。僕ビクッてなっちゃったよ。ぷるちゃん達もビクッてなりました。

 お部屋の奥の方、大きな台みたいなのがあって、その向こう側に大きなおじさんが立ってました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る