第19話王様じぃじとみんなでご飯

 やっととう様達が帰って来ました。僕もぷるちゃん達もお腹ぺこぺこです。今日はこれから王様じぃじとご飯食べるんだって。だからご飯を食べるお部屋にみんなで行きます。


 お部屋に入ったらまだ誰もいませんでした。


「ぼくいちばん!」


『ぷゆゆゆん!』


『僕達は、2番と3番!』


『ギャウギャウ!』


『うん! ムーちゃんは4番!』


 タタタタタッ! 走ったらとう様に怒られちゃいました。怒られてたらガスターじぃじがお部屋に入ってきて僕達見て、


「エリアス坊っちゃま、お静かに。静かしてますと、良いものが貰えるかもしれませんぞ」


 って言いました。

 

 良いもの! 何だろう? みんなで頷いて、すぐに僕のお椅子の所に行って、とう様にお椅子に乗っけてもらいます。

 僕の座るお椅子はすぐに分かります。とう様達が座るお椅子に僕が座ると、テーブルからお顔がちょっとしか出なくて、ご飯が食べられません。お目々がちょうどテーブルのところ。

 

 だから僕のお椅子は特別です。ちょっと長いお椅子で、クマさんの絵が描いてあってあるの。今日はカインくんいないけど、カイン君のお椅子はうさぎさんの絵が描いてあります。でも椅子はお揃い。

 

 でも僕カイン君とお揃いのお椅子で嬉しいのに、カイン君、別のお椅子に座ろうとするんだよ。もう僕子供じゃないって。どうしてかな? 僕もカイン君も子供でしょ?

 カイン君は僕より1つお兄ちゃんだけど。

 

 僕がお椅子に座ったら、次はぷるちゃん達がお椅子に座りました。

 ぷるちゃん達は僕のお隣にお椅子とテーブルがあります。前にお城に遊びに来た時、ガスターじぃじが作ってくれました。

 

 ぷるちゃん達が座ったら、またまたそのお隣に、ムーちゃんが座ります。ムーちゃんのクッションとテーブルも置いてあったんだよ。

 ガスターじぃじが王様じぃじにムーちゃんの事聞いて、今日僕達がお城に来るの知ってたから作ってくれたんだって。みんなでガスターじぃじにありがとうです。


 王様じぃじ達がお部屋に来るまで、みんなでお話し合い。

 良いものって何かなぁ? お菓子とかおもちゃがいいよね。あとはお外で遊ぶお道具。それとも絵本かなぁ? 

 

 お話し合いしてたらレイトンおじさんが先にお部屋に入ってきて、そのあと王様じぃじが入って来ました。

 とう様達がみんなお椅子から立ちます。僕も立たないとダメ。かあ様が僕の事下ろしてくれました。


「よいよい、ここからは友人として、家族同士の付き合いとして、お互いに接しよう。そのほうがワシも楽じゃ。ようやくゆっくり食事ができる。あ奴らと食事をすると肩が凝っていかん」


 みんながお椅子に座ったら、使用人さんとメイドさんが、どんどんご飯を運んできてくれます。僕達の前にも大きなお肉が運ばれてきて、ドラゴンおじさんの前には1番大きいお肉と、ムーちゃんの前には2番目に大きいお肉が。ムーちゃんとってもたくさんご飯食べるもんね。


「それでは食事にするかのう」


 王様じぃじがコップを持って、ムーちゃんとドラゴンおじさんがお城に来たから、乾杯ってしました。

 

 お肉食べてスープ飲んで、サラダは…ぷるちゃんのお皿に乗せます。ぷるちゃん何でも食べてくれるから。でもかあ様に見つかっちゃいました。失敗しっぱい。


「エリアスちゃん、ちゃんとお野菜食べないと、いい所に連れて行ってあげないわよ」


 良い所? おもちゃ屋さんとか? あっ、そういえばガスターじぃじも良いものって言ってた。かあ様とガスターじぃじの良いもの同じかな?


 う~ん、良いもののために僕頑張ってお野菜食べなくちゃ。

 お野菜をお口の中に入れて、2回だけ噛んでごくんってします。やっぱり美味しくない。何でかあ様もとう様もみんなお野菜好きなのかな?

 

 ちらっとちょっと離れて座ってるラッセルにぃにの方見ました。あっ、今にぃにダレルにぃにのお皿にトマト入れた! いけないんだ!


「にぃにトマトいれた!」


「わっ、見つかった!」


「ラッセル何ですか! あなたがそんな事して、エリアスちゃん頑張ってお野菜食べてるのよ! 1つでもいいからちゃんと食べなさい」


「はぁ~い」


 それからも頑張ってお野菜だけ先に食べました。だって最後にお野菜残ってるのヤダ。最後は僕の大好きなお肉が良いです。それでお肉が終わったらデザート食べるの。


 僕はとう様達よりご飯少ないけど、食べ終わるのはいつも最後です。みんな食べるの早いんだぁ。今日も僕が1番最後。最後のお肉を食べて、ふぅ、これでデザートが食べられます。


 メイドさん達がお皿を片付けて、お部屋の中に甘い匂いがしてきました。ふふ、今日のデザート何かなぁ?


 メイドさんがみんなの前にお皿を置いて、僕とぷるちゃん達みんなで拍手です。だって大好きなものが3つも。

 アイスとケーキとチョコレートです。アイスは木の実が入ってるアイス、ケーキは上にたくさん果物が載ってるケーキで、上からアイスにもケーキにもチョコレートのソースがかかってます。僕全部大好き!


 それからそれから、アイスにパチパチ棒が刺さってて、パチパチしてます。パチパチ棒は棒の先っぽからパチパチ火がでる面白い棒です。僕このパチパチ棒も好き。夜にパチパチすると面白いんだぁ。


「かあさまぁ、パチパチ!」


「良かったわね」


 あれ? かあ様のお皿見て、それからとう様達のお皿を見ます。かあ様達のお皿アイスが乗ってません。パチパチ棒もない。

 ガスターじぃじが僕の所にきて、僕とぷるちゃん達とにぃに達だけ特別だって言いました。今日大きなお部屋で王様じぃじにご挨拶した時、ちゃんとご挨拶できたから、良くできましたのアイスだって。

 ガスターじぃじが言ってた良いもの、アイスとパチパチ棒でした。僕とっても嬉しいです。


 すぐにアイスから食べます。溶けちゃうから急いで食べないといけません。周りにくっついてたチョコレートをアイスにもつけて…ふにゅう~! おいしい!

 ぷるちゃんはプルプル揺れて、ウルちゃんはしっぽブンブン、ムーちゃんはお羽をバタバタ、しっぽも振ってます。みんな美味しいって、とっても喜んでるよ。


 ドラゴンおじさんは…全部ひと口で食べちゃいました。今ドラゴンおじさんがドラゴンに変身しちゃってます。お腹がいっぱいになって、まったりしたいって言って、ドラゴンに変身しちゃったの。

 かあ様がちょっとだけドラゴンおじさんを睨んで、それからまたこれも教えないとって言いました。


 1つずつ食べた方が美味しいよ? あっ、でも、このフルーツのケーキじゃなくて、くまさんケーキにアイスが乗ってるのは、一緒に食べると凄く美味しいです。くまさんケーキはひらべったいケーキ。うんとねぇ、パンケーキってかあ様が言ってました。


 アイスを食べたら、次はフルーツのケーキ。ラッセルにぃにが僕に果物を1個くれて、ダレルにぃにもぷるちゃん達にくれて、みんなでありがとうして全部綺麗に食べました。


 ご飯食べた後は休憩のお部屋で、みんなでゆっくりです。王様じぃじとじぃじ、とう様達はよく分かんないお話してるから、僕はかあ様に良い所の事聞くことにしました。


「かあさま、良いところってどこぉ?」


「エリアスちゃんが行きたがってた所よ。明日ムーちゃんとみんなで行くの」


 かあ様がそう言ったら、お話してた王様じぃじが僕のことおいでって呼びました。すぐに王様じぃじの所に行ったら、僕のことお膝抱っこしてくれます。

 

「良いところとは、ドラゴンとドラゴン騎士の訓練場だぞ」


「!! あそびにいってもいいのぉ?」


「ああ。しかしじゃ、色々と話す事があるでの。少しの間遊ばず、皆の話が終わるまで待っていられるかの? 」


「おはなしおわったらぁ、あそんでもいい?」


「明日は夕方までたくさん遊べるぞ」


「おはなし、はやくおわってね」


「勿論じゃとも、エリアス達がたくさん遊べるように、早く話を終わらせよう」


 やったぁ! かあ様が言ってた良いところ、ドラゴンさん達のところでした。

 また背中に乗せてくれるかなぁ? みんなで競争とか、泥んこ遊びとかしてくれるかな? 


『ギャウウウ?』


『ムーちゃんが、ドラゴンに会う時、あのカッコいいマントしたいって』


『ぷゆゆん!』


『僕もだって』


 かあ様にその事お話したら良いって言いました。でも遊ぶから汚れちゃうよ。僕がそう言ったら、遊ぶ前に脱いじゃうから大丈夫って。最初はカッコよくしたいって言いました。


 じゃあ、僕もみんなと一緒にカッコいいお洋服がいいよね。今着てるお洋服で良いかなぁ?


「かあさま、あしたぼく、このおようふくで、みんなとおそろい」


「だ、ダメよ!!」

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