第4話エリアス4歳になりました! 今日は僕の誕生日!

「ぷるちゃん、ウルちゃんどこかなぁ?」


『ぷるるん!』


「あっちぃ?」


『ぷゆん!!』


「にぃにのおへやかぁ」


 僕達今ね隠れんぼしてるの。ぷるちゃんもウルちゃんも隠れんぼ上手だよ。隠れるのも探すのもとっても上手。

 今はウルちゃんが隠れてて、プルちゃんがにぃにのお部屋の方にお手同じ伸ばしたんだ。そうだねきっとウルちゃんはにぃにのお部屋だよ。

 

 今日は僕の4歳のお誕生日で、これから僕のお誕生日のパーティーがあるんだよ。だからお洋服もカッコいいとう様が時々着る、騎士さんのお洋服着せてもらったんの。ウルちゃんも騎士さんのお洋服着て、ぷるちゃんはお洋服はないから、マントつけてもらったんだぁ。

 僕は準備終わったけど、パーティーまでまだ時間があって、かあ様が遊んでて良いって言ったから、だから3人で隠れんぼしてるの。


 ラッセルにぃにのお部屋に着いて、ぷるちゃんと一緒のドアを一生懸命押します。ドアとっても重くて、2人じゃないと開けられないんだよ。

 

 お部屋に入ってベッドの下とかに、お洋服しまってるクローゼットの中とか、カーテンの後ろとか、いろんな所探します。

 ラッセルにぃにのお部屋のは剣が2本置いてあります。あと冒険者のお洋服とか、学校のお勉強のお道具も。

 にぃには1番のにぃになの。僕は今日4歳。ラッセルにぃには11歳? たぶん。


「ぷるちゃんいた?」


『ぷるるるん?』


「ここかなぁ?…くちゃ!?」


『ぷゆゆん!?』


 お勉強の机の下に潜ったら、とってもくちゃいタオルが出てきて、2人ですぐに机の下から出ます。にぃにのお部屋、たまにくちゃいお洋服とかタオルとか落ちてるの。ちゃんとお洗濯するものはカゴに入れないと、またシェーラに怒られちゃうよ?


 いろんなところ探したけど、ウルちゃん何処にもいませんでした。


「ぷるちゃんしっぱい」


『ぷるるる…』


 たまにぷるちゃん隠れんぼ上手じゃない時もあるんだ。でも僕よりも見つけられるからやっぱり上手なの。僕は全然見つけられないから。ウルちゃんは1度も見つけるの失敗した事ないんだよ。たまにウルちゃんはルーファスとお勉強してて、それで上手にできるようになったんだって。

 あとあと、ウルちゃんとこの前初めてお話できたの。ルーファスがきっとぷるちゃんともお話できるようになるって。楽しみだねぷるちゃん。


 ウルちゃん居なかったから、次はお庭に探しに行きます。パーティーはいつもおやつ食べる場所でするから、そっちには近づいちゃダメ。だから反対のお庭の方に探しに行きます。


「どっこかな、どっこかなぁ?」


『ぷゆん、ぷゆゆん?』


 反対側のお庭には大きなお池があります。僕達の大好きな青色のお魚さんがいるんだよ。それから僕達がいつもどろんこして遊ぶ場所もあります。どろんこの所には大きな大きな木が生えてて、木にブランコがついてるの。ブランコのお隣には小さなお家があって、僕達が遊ぶ小さなお家なんだよ。


 小さなお家に近づいた時でした。ぷるちゃんが急に止まってお手々出してきて、小さなお家を指差しました。ウルちゃんあそこに居るんだって。

 そっとそっとお家に近づきます。昨日遊んだ泥の上を通って…バンッ!! 2人で思いっきりドアを開けました。


 お家の中には僕達のおもちゃと、おままごとセットと、それから真ん中にウルちゃんがお座りしてました。


「ウルちゃんいたぁ!」


『ぷるるん!!』


『ぼくみつかっちゃったぁ』


 ウルちゃん見つけたから隠れんぼおしまい。みんなでお外に出て、今度は追いかけっこします。じゃんけんしてぷるちゃんが鬼です。

 木の周り走ったり、向こうの花壇の所走ったり、また戻ってきて木の周り走って。ぷるちゃん走るの速いんだよ。


 ぷるちゃんから逃げて、今度は泥の上走ります。バシャンッ! バシャッ! 泥が跳ねて僕のズボンとウルちゃんのお洋服に泥の模様がつきました。

 僕のズボンの模様はくまさんみたいで、ウルちゃんのはぷるちゃんみたいな模様です。僕達に追いついたぷるちゃんがバシャンって泥を叩いて、マントに模様つけました。ぷるちゃんのはお花みたいな模様。

 

 ふへへ、面白い。

 僕達にバシャバシャ泥の上で飛んだり走ったりして、泥をお洋服につけます。つけて遊んでたら、僕達の後ろでシェーラの叫び声が聞こえました。


「きゃあぁぁぁ!! 坊っちゃまそのお姿は!?」


 僕達すぐに玄関の前まで戻って、かあ様が僕達のこと怒りました。


「どうしてお洋服汚したの。今日はエリアスちゃんのお誕生日だから、カッコいいお洋服着たのよ。遊んでても良いけれど、汚さないようにと言ったでしょう!」


「ふえぇ、ごめんなさい…」


『そのまま動くな。今浄化の魔法で綺麗にしてやる』


 ルーファスは綺麗にする魔法が使えて、お家だとルーファスしかできないんだ。魔法がいっぱいできるかあ様もできないの。

 僕達の周りをしゅるるるるって白い風が吹いて、汚れたお洋服がどんどん綺麗になっていきます。

 

 綺麗にしてもらってる時もかあ様ずっと怒ってました。次汚したらお誕生日のパーティーやらないって。そんなのダメダメ。

 もう1回ごめんなさいして、僕達はすぐにお家の中に入って、階段の所にお座りです。ここに座ってればもうお洋服汚さないもん。


 階段の1番下の段の1番端っこは、僕達のお椅子なんだよ。とう様がお仕事から帰ってくるの待つ時とか、街にお出かけする時に、1番最初に玄関ホールに来て待ってる時とか、ここに座って待ってます。


 階段のお椅子に座って少しして、とう様がバタバタ2階から下りて来ました。それからライオネルも。それで僕達のこと見て、じぃじが着いたぞって言いました。

 じぃじ! とう様のじぃじとばぁばも、かあ様のじぃじとばぁばも、ルクティアの街じゃなくて、別の街に住んでます。

 とう様のじぃじ達の方がルクティアに近くて、かあ様のじぃじ達はちょっと遠くに住んでるの。あと、今日はかあ様のじぃじ達はお仕事で来られないんだぁ。残念。


 僕はとう様達と一緒に外に出て、お外で準備の続きしてたかあ様とにぃに達呼んで、使用人さんとメイドさんも一緒に、玄関の前に並びました。

 門の方から馬車が近づいて来て僕達の前で止まると、すぐに使用人さんが馬車のドア開けます。


 最初にばぁばが下りて来て、次にじぃじが降りてきました。最後はじぃじのお友達のブリザードモンキーのピグリスが下りて来て、僕の頭の上に乗っかりました。ピグリスは雪の魔法と氷の魔法が使えるんだよ。この前じぃじが遊びに来てくれた時、氷で小さなお城作ってくれました。


「父さん母さんお疲れ様」


「お義父様、お義母様、今日はエリアスのためにありがとうございます」


「なに、大事な孫のためじゃ。前回の誕生日は仕事で来ることが出来んかったからのう。今回は来ることができて良かったわい」


 とう様達のご挨拶が終わって、今度はにぃに達と僕達がご挨拶です。


「じぃじ、ばぁば、こんにちわ!」


「おおエリアス、元気にしとったか。じぃじ今日はエリアスにたくさんプレゼントを持ってきたんだぞ。パーティーを楽しみにしておれ」


「エリアスちゃん、良い子にしていた?」


「うん!!」


 僕静かに階段のお椅子に座ってたよ。ね、ぷるちゃんウルちゃん。みんなでねぇ~ってしてたら、にぃに達が僕達のこと変なお顔で見てます。どしたの?


 パーティーが始まるまでもう少し。それまでじぃじ達にウルちゃんがお話しできるようになった事とか、ぷるちゃんがちょっとだけ大きくなった事とか、たくさんお話しました。早くお誕生日のパーティー始まらないかなぁ。


      *********


「もう4年か。さてこちらも良い頃合いだ。他にも果物かなんかも持っていくとしよう」


 我は卵を抱え、空へと飛びたった。我が連れて行った魔獣達とも仲良く大事にしてくれているエリアス。そして前よりも魔力の輝きが強くなった気がする。やはりエリアスに任せるのが1番だろう。

 もちろん我も命のある限りはエリアスを手伝うつもりだ。どれだけもつかは分からんがな。


 飛びたってから数時間後、飛ばしてきたからすぐにエリアスの住む街が見えてきた。

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