積み上がる難題
「
”願い”を叶えるのは
わざわざ”媒介”、神の【
「悪行を。同胞達のためとはいえ、他人様を殺害した兄達。許されることだとは思いませんが。それでも家族なんです。……
家族、身内が悪行を犯したとはいえ、死んでほしくはない。
俺の兄弟姉妹たちが、同じような罪を犯したのなら止めるし、ツァィのように何が何でも生きていて欲しいと行動するだろう。
「≪正しく、生きて欲しい≫。その真なる”願い”。この命に代えても、叶えてみせよう!」
一度は無くした命を誰かの為に、悔いの無い”
ーーーーーー
「では、話してもらおうか。アジトの場所も、そうだが。
悪徳な人間を殺したとはいえ悪行を犯した兄達を裏切らなかったのだ。
今回、裏切ったのは決定的な何かが有ったはずなのだ。
「何処から発覚、聞きつけたのかは分かりません。兄達に近づき、手助けをしてくれた者が居ました。何処の誰だかは分かりません。私達を助けると言うより、他に思惑が有ったのだと思います」
蛇の道は蛇。
悪行を繰り返せば、更なる
「その者から言われたのです。帝都から
古来より蛇は人に甘い
「その甘言に惑わされた兄達は、その馬車を襲撃しました。制圧した後に、確かめると高価な金品が載っていましたが……。
それが破滅へと向かう事と理解もせずに、人は
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ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
「流石です、タイチ
「もっと早く。領主様が”媒介”を使う前に、連絡が欲しかったんですけど……。……イジメですか?」
夜の闇が深くなり始めた”黄巾党”のアジトの前で、
「
「”
確かにフェイ・ラン程の実力者ではないだろうが、ふっわふわの茶色の髪が強い天然パーマのせいか、巻き髪のお嬢様のような風貌が更に、そう思わせる。
しかし、両手に持つ短刀、全身のあらゆる体制でも投擲できるように括り付けられたクナイのような刃物。
正面切っての戦闘ではなく、技量と手数で押すタイプの、この世界では珍しい実力者に見えた。
「肉弾戦ならともかく、
「ガンちゃんさんが言うように、そうですね。私が【無手】なのは、私の
英雄、勇者級の仙力を持つと使う道具も厳選されるため、フェイ・ランが【無手】なのは理解できる。
「フェイ・ランを越えるかもしれない
「傭兵登録が出来なくても、
俺も他人のことは言えないが、慈悲深いのでなく、
自分の所に滅多に来ない攻撃的な
ーーーーーー
『お父さんに会いたいから、面会の機会を作ってくれるかい? クゥイちゃん』
『はぁ~~い! タイチ
ツァィから”黄巾党”のアジトを聞き出し、人手が要るのと、同じ案件で錯綜しているだろう領主に話を通すための機会を作るのをクゥイちゃんに依頼した。
『タイチ殿に何から何まで世話を掛けられないと、手ずからの”媒介”で探し当てたアジトの場所と相違ない』
要人の捜索で忙しいところを無理を言って面会した領主・
『タイチ殿の事情は理解しました。この件が出来るだけ上手く収まるように。
娘・クゥイちゃんの一件で、俺に恩義を感じてくれている領主の全面的な協力を取り付けたのは、良かったのだが……。
『この街の名前の由来でもあり、この国、
___どうか、御無事で救ってください』
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