声劇短編置き場

夏艸 春賀

『出会い』

※注意※


・こちらは3人で出来る声劇台本です。

・性別等は不問ですので、お好きにどうぞ。

・台本使用時、タイトルと配役と作者名【夏艸なつくさ 春賀はるか】だけで構いません。

・所要時間約5分。





《登場人物》

イダン

怒りっぽい魔法使い。

主に攻撃魔法が得意。


ナーシャ

弱虫な剣士。

大剣使い。


マナ

ポジティブで蹴られたがりなマゾンビ。

不死身。



《配役》

イダン:

ナーシャ:

マナ:





↓以下本編↓

────────────────────





ナーシャ

「ううー……なんでこんな事になってんだよー……」


イダン

「仕方ないだろう? 次のダンジョンへ行くにはこの洞窟の奥にある魔獣の卵を取りに行かないとなんだから」


ナーシャ

「それにしたってさー、こんな場所じゃなくたっていいじゃん……せめての当たる所にしようよー」


イダン

「うっさいな! 文句ばっか言ってないでさっさと歩けよ、先に進めよ!」


ナーシャ

「だーってさー、こんなに暗いとは思ってなかったんだよー……洞窟中に声が響いてて、余計に怖いよー」


イダン

「いいから歩けって! 少しづつでも怒らねーから!」


ナーシャ

「いやもう盛大に怒ってるじゃん……」


イダン

「怒ってねーっつの! これがデフォルトだわ!!」


ナーシャ

「うわーん。うるさいよー……耳がキーンてなる、キーンって」


イダン

「きったぞー! 来たぞ! ふーんふふんふんふーーーーん!!! ってなぁ?!?!?!」


ナーシャ

「騒音反対ー!!!」


イダン

「文句言える口があんだから体も足も動かせよ!!!」


ナーシャ

「やだ! もう一歩も歩けません!!!」


イダン

「まだ、入って10メートルも歩いてねーからな!? まだまだ先があんだぞ、おい!!!」


ナーシャ

「キーンって。キンキン声が響いて歩けませんー」


イダン

「怒鳴らせてんのはお前だからな!?」


マナ

「……ぉぉ……」


ナーシャ

「え? なに?」


イダン

「なに? じゃねーんだっての! 休んでる暇あったら歩けよ!!」(尻を蹴る。)


ナーシャ

「いって!! いや、蹴る事なくね?!」


マナ

「……ぉ、おお……」


イダン

「歩かねぇお前が悪い!!!」


ナーシャ

「いやだから、蹴らなくても進むってば! 分かったって、行くってば!」


マナ

「う。ぉおおおお!! 素晴らしい蹴り!!!」


ナーシャ

「んぎゃーーーーーー!?!?」(イダンとほぼ同時に。)


イダン

「ひっ?! え、なに、なに?!」(ナーシャとほぼ同時に。)


マナ

「貴方の蹴り、とても素晴らしい!!! 是非ともその蹴りを、思いっきりこのワタクシに!!!」


ナーシャ

「うぎゃーーー! 出たーーー!!!」


イダン

「いやだーー!! 引っ付くな!!!」


マナ

「あっあっ……洞窟に響くお二人の悲鳴……素晴らしい!!! ちょ、ちょっと、見るからに魔法使いの服装の貴方。貴方の蹴りで……ワタクシめを……!!」


イダン

「ばっ……寄るな!! 来んな!!」


ナーシャ

「うわーーー!!! あーーー!!」


イダン

「うるっせぇ!!!!」(思いっきり蹴り飛ばす。)


ナーシャ

「うぐっ……ぎゃふん」(クリティカルヒットな為暫し昏倒。)


イダン

「あ。やり過ぎた」


マナ

「はぁん!!! 蹴り上げる足の角度、速度、強さ、どれをとってもワタクシごのみ!!! はぁあー! 素晴らし過ぎるぅ!! どうか、どうかワタクシめに食らわせて……」


イダン

「うっぜぇ!!!」(にじり寄ってくるゾンビにアッパー。)


マナ

「あっはぁんんん!!!」(歓喜)


イダン

「キモイわ!!!」(顔面に右ストレート。)


マナ

「拳もいい!!!!」(狂喜)


イダン

「消し飛べぇ!!!!!!!」(鳩尾へキック。)


マナ

「待ってましたぁはぁあぁあぁあんんん!!!!!」(恍惚、洞窟奥へ吹っ飛ぶ。)


イダン

「(息切れしながら。)……はー、いや、魔法使いなのになんで物理でゾンビ攻撃してんだよ。なんなんだよ、全く……つーか、もう起きろよ……疲れたよ、ほんっと」


ナーシャ

「(感心したように拍手。) いやー、お見事でしたー……さすがイダン先輩」


イダン

「先輩言うな、クソガキ。……ったく……さーて、休憩は出来ただろ、行くぞ?」


ナーシャ

「……へーい……ううー、怖いよー。暗いよー」


イダン

「ふりだしに戻すなっての……黙って歩けよ」


ナーシャ

「だーってー……」


マナ

「いやー!! 最高ですよ、魔法使いさん!!!」(ガバッと抱き着く。)


イダン

「うっ!!!」


ナーシャ

「ひぃ!!!」


マナ

「もっと、もっと……殴ってくだs……」


イダン

「抱き着いてくんじゃねぇぇえええええ!!!!!」(鳩尾へ肘鉄後、回し蹴り。)


マナ

「ぐっ……ぅふ……!!」(気絶)


イダン

「……ふぅ〜……」


ナーシャ

「(拍手しながらイダンへ賛辞の言葉をどうぞ。)」


イダン

「よし。卵取りに行くぞ!」


ナーシャ

「はーい……」




マナ

(二人が立ち去ったのを見計らってからムクリと起き上がり、ニヤついて。)

「……ぐぇっへへへ……まだまだ……先はあるんですよ……ぐふ、んぐふふふふふ……」






終わり

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