いのしし

私また昨日猪っぽいって言われた

だって私実際猪だから当たり前

でもうさぎに生まれてたら

うさぎっぽいって言われただろうし

オードリー・ヘップバーンに生まれてたら

女優っぽいって言われたはず


私なんで猪に生まれたんだろう

理由は確実両親が猪だから


猪なりに考えて生きていくのは

猪である運命に捕われている

猪でありながら猪を越えて

私は猪っぽさから見捨てられたい


私は真っ直ぐに真っ直ぐに

猪の皮を脱いで走る

ああそんな夢は

いつも素敵な朝日で覚めてしまう

私また猪っぽいって言われて

猪みたいな息を吐くんだな



(「無責任」第二十七号より)



第二十六号のしりとり短歌は視覚的な作品なのでこちらからhttps://borderspoem.up.seesaa.net/image/musekininn26.pdfご覧ください

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る