第50話 レメヴァーレの廃ダンジョン
49話のザリチュとタルウィのユーリのメール内容間違いに気付いて変更しています
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「皆様どうしますか?熱さ対策準備
初めて補佐官がセフィール達に話しかけて来た。
ビクター魔術師団長は入り口近くで氷結魔法を放ったが、入り口付近が涼しいだけで中は熱いままだった。
「そうだなぁ・・・これは困ったな。鳥を送って知らせはしているが、ライドットは国王陛下に現状を知らせに王都へ向かってくれ。私達は装備を整えて改めて廃ダンジョンを探索する。」
そこにいた全員が補佐官の名前を今知り、『そんな名前だったんだ』という感想を抱いていた。ビクター魔術師団長に別れを告げた補佐官は様子見の為にまだ留まって貰っていた馬車に乗り込み、王都へ向かって去って行った。
「では、私達も近くの町に行って装備を整えてから出発します。」
「あ。私とセフィールは行かなくていいです。3人で行ってきて下さい。」
「え?あぁ。お前達で行ってきてくれ。」
「2人共行かないの?じゃあ俺もいいや」
「俺は特に必要ない。」
慌ててセフィールはユーリと話を合わせると、ロバート達も買いに行かない事に決めた。
「私は魔法で解決できるが本当に良いのか?」
「はい。やってみたいことがあるので良いです。」
そう告げるとユーリはみんなに背中を向けて1人メールを打ち始めた。ビクター魔術師団長もみんなの決意が固い様なので、残りの馬車に帰って貰った。
セフィールはユーリから来た文面に目を通すとダンジョンの入り口に立ち、洞窟内側の壁に手を翳した。
何も変化は見えなかった。もう一度セフィールが手を翳す、すると洞窟内部が銀色になり所々から管が壁から出ている。
「ユーリ、持っている材料で5階位までは行けると思うが流石に材料が途中で無くなるぞ?」
「んー・・・錬成したの回収しながら進むしか無いよね・・・。それで途中の鉱物も回収しながら進めば下までは行けるか・・・。帰りどうなると思う?」
分かっている事を聞いてしまいユーリは半笑いだ。
「ユーリちゃんそれ帰る時にまた錬成しながら帰るんだよね?生き埋めじゃね??」
「うーん。クロの全力疾走ですら危なかったからなぁ。」
「何故お前達は帰りを気にするのだ?行くことが出来ないのに意味ないではないか?」
「もう行けると思いますのでそれはもう良いんですけど、倒すにしろ倒せなかった場合にしろ帰り方が無いんですよねぇ・・・。」
「ーーそうか行けるのか・・・。ならば問題はない。私が転移陣を展開すれば間に合うだろう。」
「えっっ!?ビクター魔術師団長は転移魔法使えるんですか!?」
「流石名の知れた魔術師団長殿だけあるな!」
「うわぁ〜本当に使える魔術師っていたんだ〜・・・。スッゲー!!!」
「わーいっ!!転移魔法だ!!転移魔法だ!!早く行こうっ!!」
最近は当たり前の様に皆が転移魔法を頼んでくる為、久しぶりの反応に内心嬉しく思ったビクター魔術師団長であった。
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早速廃ダンジョン洞窟内に入ると、少し熱いが行けないことは無い程度であった。
「さっきと比べると涼しいね〜やっぱセフィールだわぁ〜」
「うん、いい感じだね〜」
先頭ロバート次に魔術師団長、次にユーリにルーク最後にセフィールの順番で進んでいる。
階下に行く階段が見つかる度にセフィールが錬成と回収を繰り返す。
「流石に最深部に近付いて来ると空気が熱いな。クールの魔法で空気をさませておこう。少しは違うだろう・・・。」
地下60階近くになり空気が熱く皆汗が止まらず、水分補給に何度も休憩を挟む様になる。
セフィールがクールの錬金術魔法を発動すると、蒸し暑く息苦しかった空気が涼しくなった。全員気力が戻り、しっかりとした足取りで探索を再開した。
「(上層階に比べて毒草が異常に多いな・・・。やはり、ユーリが言っていたのがここにいる可能性が高い様だな・・・。)」
最下層に近づくにつれて、毒草が生い茂り道を塞いでいる。毒草を回収する量も階を降りるごとに膨れ上がっている。
セフィールは毒草回収→道錬成→居た階層の錬成素材と廃ダンジョンに元からあった素材回収を繰り返す。
先頭のロバートが声を後ろに掛ける。
「次が60回層、ここのダンジョンのボスがいた場所だ。みんな準備はいいのか?」
「私は構わないがセフィール殿達は良いのか?」
「あ、流石に最下層熱いじゃ無いですかー、冷たいお茶用意したんでみんなそれ飲んでから行きましょーよー。」
「そうだな、水分身体には必要なんだよな?ユーリ?」
「うん。身体の水分量は60%だからね。半分以上だよ。決戦前は飲んだ方がいいね。」
全員がルークが用意したお茶を飲んだ。ルークはアオとクロにもお茶を飲ませてあげていた。
ーー飲み終わると旧ボス部屋の白い扉をセフィールが回収し、全員が入る。ボス部屋では素材を回収すると悪魔が出て来た事もあり、ここの部屋には耐熱用錬成は行わず回収のみ行う。今回のボス部屋は全体的に白い部屋であった。
全員がセフィールの回収を固唾を呑んで見守りそして、周りの気配にも注視している。
ーー意を決してセフィールが壁に手を翳し鉱物を回収する。
「「「・・・・・・。」」」
ここの廃ダンジョンに悪魔は居ないのか?っと思っていると、地の底から地響きが聞こえ始めた。それが段々と近づいて来る気配を感じ全員が身構える。
ーーーボゴォォォォッッッッッッ!!!!
地面から熱気と共に出て来たのは一体の女性の形をした悪魔であった。悪魔の顔はお面の様に無機質でその顔はひび割れた乾燥地帯の様に顔中にひび割れている。頭には花が咲きれ腕は花の蕾の様なモノに覆われている。
「お前はザリチュか?」
セフィールが悪魔に問う。
『イガニモ゛・・・ワラワハ・・・ザリチュ、ココノ゛土壌ヲ乾キト毒ヲ持ッテ犯ス者ナリ・・・マズハオ前達ヲ苦シミモガキ死ヌ様ヲ・・・見サセテ貰オウゾ・・・。』
ーー出て来たのがザリチュだと分かり全員が戦闘配置に着いた。
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