第7話 魔法がバレた

「メアリー、今日も狩りに行こうよ。」


「ええ、構いませんが疲れていませんか?」


「うん、大丈夫。早速、父の剣を試したいんだ。」


「わかりました。剣術の練習を少し行ってから狩りに行きましょう。攻撃のかわし方を教えますね。今のままではゴブリンと遭遇してしまうと危険ですので。」


メアリーに攻撃のかわし方や切込み方を教えてもらった。

すると回避と加速のスキルを覚え、動きが数段良くなった。

庭から出て森の奥に進む。

道中遭遇したスライムやウサギを切り刻んでいく。

狩れば狩るほど剣の切れが良くなっているように感じた。

そして、スライムからは再生、ウサギからは突進のスキルを奪っていた。

おかげで刃こぼれしても修復するし、突き刺す攻撃も早く鋭くなった。

さらに奥へ進むとゴブリンが現れた。

現れることはティアにお願いして常に気配探知で探っていたので分かっていた。

ゴブリンはイメージ通りの小柄で緑の小鬼だった。

棍棒を振り上げ向かってきたがサラリとかわし、背中を切り付けた。

もう少し手こずるかと思ったが、致命傷となり倒れた。


「ゴブリンもウサギと同じく心臓のあたりに魔石があります。お腹を裂いて手を突っ込んで魔石を引き抜いてください。」


「ええ!! さすがに気持ち悪いよ。。。 ウサギでも大変だったのに人型はさすがにきついです。」


「仕方ないですね。では見ていてください。こうやって腹を裂いて、手を突っ込んで魔石を取り出します。あと、ゴブリンの討伐証明部位は耳なので耳を採取することも忘れずに。」


そして血だらけの魔石を手渡そうとしてきた。

思わず無詠唱でクリーンを使ってから魔石を受け取った。


「アオイ様。今、魔法を使いましたね。まだ6歳のアオイ様がなぜ魔法を使えるのですか?」


『あ! やってしまった! どおしよう、ティア』


『この際、口止めをしてメアリーさんだけには話してはどうですか? いつも一緒にいるメアリーさんにこれ以上隠していくのは難しいと思いますよ。1年半バレていないことが奇跡ですから。』


「えっと、メアリーに魔法のこと教えてもらって試しにやってみたら出来ちゃったの。怖くて今まで誰にも言えなかったんだ。だから内緒にしてね。」


「わかりました。では、今後の対処の仕方にもかかわるので何の魔法が使えるのか教えてください。私のステータスもお見せしますので。ステータス・オープン」


メアリーのステータスはすでに鑑定でみているんだけどね。


「んじゃ、俺も。ステータス・オープン」


誰かにステータスを見せる場合にはステータス・オープンを唱えるらしい。


*ステータス

 名前: メアリー

 称号: アオイの専属メイド、元B級冒険者、エルフ

 職業: 魔法剣士

 性別: 女

 年齢: 21歳

 レベル: 50

 状態: 健康、欲求不満


 HP: 500

 MP: 550

 STR: 460

 INT: 300

 DEF: 400

 AGI: 480

 DEX: 380

 Luck: 100


 スキル

  魔力感知、魔力操作、気配探知、解体、状態異常耐性、家事、料理


 戦闘スキル

  剣術、魔剣術、弓術、槍術、身体強化、回避、加速


 魔法スキル

  生活魔法:クリーン、ウォーター、ドライ、ライト

  水魔法:ウォーターボール、ウォーターカッター、ウォータースピア

  風魔法:ウィンドカッター、エアスラッシュ

  光魔法:ヒール、キュア

  氷魔法:アイスニードル、アイスウォール、ブリザード

  雷魔法:サンダースピア、サンダーアロー、サンダーボルト

 

 ユニークスキル

  なし


うーん。欲求不満が気になったがスルーしよう。

メアリーが俺のステータスを見て固まっている。


「この際、もう全部話しちゃうね。俺は転生者で前世の記憶があります。1年半前に覚醒しました。そして、この剣とあとまだ見せていない防具の指輪を神様からもらいました。こんな俺だけど、これからもよろしくお願いします。」


「ええ。私はあなたの専属メイドですから成人するまではきっちりお世話いたしますよ。しかし、今はまだ情報が多すぎて処理しきれていません。とにかく、私はあなたの味方です。秘密は守ります。あと1年半前、急に話し方や雰囲気が変わり、賢くなったことの理由が分かってすっきりしました。これからもよろしくお願いします。」


『ティア、よかったよ。これでコソコソしなくて済むね。』


『あとはRoomのことを話すかですね。いっその事、メアリーさんを招待してはいかがですか? そうすれば昼間でもRoomに行けますよ。』


『それもいいかもしれないね。でも今はフリーズしているようだから明日にしようね。』


「今から魔法で狩りをしてみるけどいいかな?」


「構いませんが、森で火魔法は禁止ですからね。火事になったら大変ですから。」


神からもらった防具の指輪を装着し、ローブモードにした。

短剣もロッドモードに変更した。

見た目は賢者となった。

メアリーは驚いていたが、その前から散々驚かされているのでまたですかという表情をしていた。

基本ウィンドカッターでゴブリンの首を刎ねていく。

倒すのは簡単だが魔石の回収がしんどい。

いつの間にかに精神耐性を獲得しているほどだ。


『ティア、解体を楽にできないかな?』


『魔石の回収だけでしたら空間魔法で魔石を転移させてはどうですか?』


『そんなことできるの?』


『魔法はイメージです!』


『そうでしたね。魔石を俺の掌に転移させるイメージで、魔石摘出!』


できてしまった。

ゴブリンの腹にはキズはなく、俺の掌には魔石があった。

討伐部位の耳だけ切り取って魔石とともにインベントリに放り込んだ。

それからは狩りの効率が上がり、気配探知で探しながらサクサク狩っていった。

夕方にはレベルが5に上がっていた。

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