第18話 二人の関係、距離感

「姉貴、今日、荘史さんの所に行くなら、これアイツに渡してくんね?」

「まあ、オムライス。分かった渡しておくわね」




そして ―――



「佳音ちゃん、はい」

「あっ!オムライスだぁー♪」

「雄真から渡して欲しいって」

「そうなんですね。雄真、相変わらず元気にしてますか?」


「ええ、元気にしてるわよ」

「彼女ともうまくいってる感じですか?」

「いってるんじゃないかしら?」

「そうですよね。フラれてるなら、からかいにいこうと思ったんですけど……」

「相変わらずね。佳音ちゃんは。それじゃ、私、荘史の所に行くから」

「はい」



私達は別れた。



「相変わらず……変わんない……雄真のオムライス……」



私は涙が溢れる。



「……雄…真……」




そんなある日。




「雄真、最近、彼女とはどう?」

「えっ?」

「連れて来ないようだけど、外でやる事やって来てるの?」


「あのなー、姉貴、アイツと同じ発想すんなよ!」



「アイツって?」

「佳音以外、誰がいるんだよ。アイツも言い兼ねないし」


「そうね。それで、彼女とはどうなの?仲良くやってるの?」

「別れた」

「別れた?どうしてまた?」

「好きな人が出来たって…つーか…元々、気になる奴いたっぽいけどな」


「えっ?それで付き合ったの?」

「向こうの押し。気は進まなかったけど」

「そう…でも別れられて良かったったとか思っている部分あるんじゃない?」


「えっ?」

「雄真の中で佳音ちゃんの存在は、どんな存在なの?」

「それは……ここ一年間一緒にいて何処か兄妹みたいな友達みたいな…言い合って馬鹿しあって…」



「………………」



「何か一緒にいる時間が当たり前で…存在と言われると友達以上恋人未満みたいな感じかな?」


「…そう…。……雄真…実はね…雄真と佳音ちゃん幼い頃にも会ってるのよ」


「……えっ!?」


「私達のお母さん佳音ちゃん達のお母さんと、仲良かったの」


「へぇー」


「高校の時の同級生で、結婚したのも出産したのも、そう変わらなくて、亡くなる数年間前位迄、幼い佳音ちゃんを良く連れて店に来ていたのよ」



「店に?」

「そう。そして幼い二人は良く遊んでいたのよ」

「……それって……」

「佳音ちゃんと雄真……あなた達よ」



「………………」



「休日とか、ここのお店を手伝いに来てて、その時は荘史も来ていた事もあったわ……荘史も私も小学校の時に会っていたみたいだけど…今、思えば何かの縁だったのかな?って…」



「………………」



「雄真が、1%でも佳音ちゃんの事があるなら佳音ちゃんと付き合ってみるのも良いんじゃない?」



「姉貴……」


「お互いの気持ちもあるだろうけど…ゆっくり付き合ってみても良いんじゃないかしら?」



「………………」



「まあ、あなたの人生だし私が決める事でもないから。よーく考えた上で佳音ちゃんと向き合ったら?」


「……ああ……」





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